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【臨時掲載】 進行性直腸がん (Stage III-a) に関するご報告 【アーカイブス】

こちらは,過去のリリース記事のアーカイブスとなります。
最新のリリース記事につきましては,以下よりご覧ください。

phyocc-i.hatenablog.com

第13報 (リリース日:2023年5月4日)

2022年6月23日に造設済の一時的人工肛門を,2023年4月4日に閉鎖いたしましたが,術後の経過において,致命的な問題が発生したことから,2023年4月22日に,急遽,人工肛門を再造設いたしました。このたび,2023年5月2日に退院いたしましたので,諸々の顛末についてご報告いたします。

基本情報

  • 確定診断:進行性大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ III-a (リンパ節転移 1個あり) ※ 外科手術後の病理検査の結果,いったん確定したステージに,変更がありました。
  • 病状:1) 内視鏡による,直腸癌の病変切除を実施 → 2-1) 直腸癌の根治のために,外科手術を実施 → 2-2) 手術後の病巣の病理検査結果から,リンパ節への転移を 1個確認 → 3) 術後補助化学療法として,抗がん剤治療を実施 ※ 第11報にて,一連の治療完了 および 事後検査における所見なしをご報告済です。
  • 現在の状況:直腸がん術後,人工肛門閉鎖後,縫合不全 および 膀胱瘻

診断書の全文は,こちらです (個人情報保護の観点から,個人特定可能な情報を,非開示とさせていただいております)。

治療内容

■ 治療内容
手術I-人工肛門閉鎖術

  1. 腹腔鏡下人工肛門閉鎖術

腹腔鏡下にて腹腔内部を観察し,癒着を確認します。癒着が認められれば剥離した後,人工肛門を閉鎖します。
※1 考えうる合併症:頻便,下痢,脱水
※2 この医療行為を行わなかったときの見込み:永久人工肛門となります。
手術II-人工肛門再造設術

  1. 腹腔鏡下癒着剥離・人工肛門再造設術

人工肛門閉鎖後の経過において,縫合不全・膀胱瘻を認めます。食事摂取により悪化することから,吻合部安静のため,人工肛門を再造設いたします。また,腸管の癒着を確認し,癒着剥離をいたします。
※3 この医療行為を行わなかったときの見込み:禁食のままとなります (「1ヶ月単位の長期禁食による経過観察」という選択肢もないことはありませんが,きわめて非現実的な選択肢です)。

影響の範囲 (第12報までの影響に付加するもの)

  • 縫合不全・膀胱瘻にかかる全治:1年以上

人工肛門再造設術後,最低 1年間の経過観察を経た後 (2024年5月以降・見込),主治医を交えて,人工肛門再閉鎖の是非に関する協議を行います。なお,本協議においては,永久人工肛門化の選択肢も含まれます。

本人コメント

入院前こそ,駆け込みの仕事に追われており,こんなことなら,早く入院したほうが楽だなどと軽口を叩いておりましたが・・・率直に申し上げて,41年9ヶ月の人生において,もっとも苦しい 30日間となりました。本来であれば,今ごろ「頻便という名の後遺障害」で苦しんでいるはずのところでありましたが・・・もっとも,頻便障害自体も,人工肛門閉鎖直後に「トイレ 1日・30回」という洗礼を浴びていますので,まったく経験しなかったわけではありませんが。
この 30日間,退屈するどころか,自分の身体はどうなってしまうのかという心配事ばかりで,とてもではありませんが,生きた心地がしませんでした。つくづく,大事に至らず退院できたことだけが,唯一の救いです。
最初の異変は,人工肛門閉鎖直後の食事再開から始まりました。頻便自体は,当然に予想の範囲内だとしても,そのわりには腹痛がひどく,食事再開後,わずか 2日・5食を摂ったところで,3度目となる腸閉塞が再発し,早々に禁食・禁飲となりました。内視鏡で,鼻からチューブを入れて,小腸内の閉塞物を吸い出す始末でした。
しかし,それはまだ些少な問題で,本当の地獄はここからでした。禁食・禁飲から 1週間ほど経過し,腸閉塞の解消にも,あらかた目処がついてきたところで,主治医と食事の再開を検討しようにも,いつまで経っても,食事が再開されません。それもそのはず,食事再開の検討のタイミングで,今度は,尿の中にガスが混じる,さらには,尿の中に便が混じる,さらには熱発という,人生で経験したことのない異常がみられたため,緊急で,諸検査と抗生剤の投薬を開始しました。諸検査の結果,なんと,9ヶ月半も安静にしていた吻合部の縫合不全が,人工肛門閉鎖後,わずか 1週間足らずで破られるという,前代未聞 かつ 致命的な事案が起こってしまいました。
しかも,問題は,縫合不全だけにとどまりませんでした。尿の中に,ガスや便が混じるという,百戦錬磨の主治医ですら,初めての症状の患者に遭遇するような事態となり,急遽,泌尿器科の専門医との連携,膀胱の検査等々を実施した結果,きわめてまれな「膀胱瘻」という症状までついてしまいました。すなわち,縫合不全を起こした部分から便が漏れ出し,何らかの理由で,腹腔内のポケットを経由して,膀胱との交通路ができてしまい (しかも「腸から膀胱への一方通行」で,膀胱から腸には,尿が漏れ出さないという不思議な事象です),膀胱内にガスや便が流入するという,きわめて恐ろしい事案が起こっていたのでした。ややもすると,腹膜炎や敗血症という,命に直結する重大な合併症に直結するだけに,本当に恐ろしく,生きた心地がしませんでした。まさに「人工肛門を取ったら,命まで取られた」などという,何の洒落にもならない事案が起きるところでした。
結論だけをみれば,2回の手術,30日間の入院,37日間の休業 (見込) を経て,何も変わらないどころか,人工肛門閉鎖前よりも後退してしまうような顛末となりましたが・・・こればかりは,誰をどう責めても,ましてや「犯人探し」などしても,何にもなりません。なにしろ,当事者 (患者,主治医,家族等々) の誰一人として,このような顛末になろうとは,夢にも思わなかったのですから。むしろ,主治医には,数十人とも 100人とも言われる膨大な患者を抱えている中で,多忙を極める中,迅速に最優先で動いていただき,わずか 1週間で原因を特定し,人工肛門の再造設という決断に舵を切り,休業日にもかかわらず,医療スタッフを集めて臨時の手術まで組んでいただき,命を救っていただいたことに感謝しているくらいです。このまま突っ走っていたら,間違いなく「人工肛門とともに命も取られる」危険を冒していたことでしょう。
そして,人工肛門の再造設を行ったまではいいものの,今度は,人工肛門の再閉鎖自体も困難を極めることになりそうです。縫合不全ひとつとっても,糖尿病などの基礎疾患がない状態で 9ヶ月半も存置したものが,わずか 1週間足らずで破られるくらいですから,いったい,いつになったら,問題なく閉鎖できるのか。主治医でさえ,皆目見当もつかない状態です。あまつさえ,吻合部分の膀胱瘻という困難までついて回る手前,ひとまず,1年間は完全に棚上げして,その後,主治医を交えて,人工肛門の永久化も含めたご相談をすることになるでしょう。さすがに,再閉鎖しようにも,2度目の失敗は (どんどん条件が悪くなるため) 許されませんので。
―――ところで,今回の入院で,2つほど,大切なものをつかむことができました。
まず 1つは,「自分にとって,一番大切なものは何なのか?」ということです。
今まで,考えているようで,何も考えていないことに気付かされましたが・・・これほど苦しい思いをしたとき,何のために,誰のためにがんばることができるのか。それは,取りも直さず「自分自身の健康と,自分自身の両親のために」がんばろうということでした。誰よりも,自分のことを心配してくれて,主治医からの呼び出しに対しても,何度でも実家から駆けつけてくれて,たとい,実家の一周忌 (しかも喪主) の前日であろうと,手術の立ち会いに駆けつけてくれる。こんな,かけがえのない存在を,街頭インタビューなどで聞かれたとして,「大切なもの?・・・あっ,両親ですかね?」などと,軽々に申すことは決してありません。何があっても,絶対にブレない芯をつかむことができたことが,今後の人生において,大きな糧となりました。
もう 1つは,「がんばることと,無理をすることは,根本的に違う」ということです。
自分自身と両親のため,その他,諸々の事情のためにがんばることはよしとしても,そこに,決して無理を加えてはいけない。人工肛門再造設後の食事など,ゼリー食 (まさかの「1個・460円のゼリー・1個」) から始まりましたが,10秒で食べられるようなゼリーを,10分もかけて食べるような始末。その後の流動食や全粥食は,言わずもがなの苦しさがありました。鼻やら尿道やら,ストーマから管が出ていようとも,病棟を歩いてリハビリもしました。これらのこと自体は「治療と回復のためにがんばること」ではあるのですが,たとえば,吐いてでも無理やり食べる,起立して足踏みしただけで意識が遠のく中を歩くといったことは,決して「がんばること」ではありません。それは,ただの「無理・無駄・無謀」というものです。これらの知見と身体の見極めについても,ゆめゆめ肝に銘じて,日常生活に最善を尽くしてまいりたいと思います。
最後に,地獄の30日間を物語るような,記録尽くしとなった日数たちを列挙して,コメントの終わりにしようと思います。

  • 入院日数:30日間 (2023年4月3日 から 2023年5月2日 まで)
  • 連続禁食日数:16日間 (2023年4月7日 から 2023年4月22日 まで)
  • 連続点滴日数:25日間 (2023年4月4日 から 2023年4月28日 まで)
  • 手術間隔日数:18日間 (1回目:2023年4月4日,2回目:2023年4月22日)
  • 体重増減量:▲5.75kg (2023年4月3日:58.35kg,2023年5月3日:52.60kg)

禁食,点滴,2回の手術,どれをとっても,本当に消耗戦でありました。特に,中・17日での全身麻酔の手術は,厳しいものがありました。ことによると,2022年6月の,直腸がんの病巣除去手術よりも消耗したかもしれません。まずは,少しずつ体力を戻しつつ,かつ,体重を増やしすぎないような日常生活を心がけてまいります。

― 以 上 ―




第12報 (リリース日:2023年3月25日)

第8報にてご報告の通り,2022年6月23日に造設いたしました一時的人工肛門につきまして,閉鎖前検査が終了し,手術上の問題がないものと診断されましたので,今後の手術,および,日常生活で予想される影響について,ご報告いたします。

基本情報

  • 確定診断:進行性大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ III-a (リンパ節転移 1個あり) ※ 外科手術後の病理検査の結果,いったん確定したステージに,変更がありました。
  • 病状:1) 内視鏡による,直腸癌の病変切除を実施 → 2-1) 直腸癌の根治のために,外科手術を実施 → 2-2) 手術後の病巣の病理検査結果から,リンパ節への転移を 1個確認 → 3) 術後補助化学療法として,抗がん剤治療を実施 ※ 第11報にて,一連の治療完了 および 事後検査における所見なしをご報告済です。

治療内容

■ 治療内容

  1. 腹腔鏡下人工肛門閉鎖術

腹腔鏡下にて腹腔内部を観察し,癒着を確認します。癒着が認められれば剥離した後,人工肛門を閉鎖します。
※1 考えうる合併症:頻便,下痢,脱水
※2 この医療行為を行わなかったときの見込み:永久人工肛門となります。

影響の範囲 (第11報までの影響に付加するもの)

特になし (第8報にてご報告の通り,一定規模・期間の排便障害が生じることを前提とした療養が必要となる見込みです)

本人コメント

2022年3月8日,直腸に,がんという名の初見が認められてから,約1年。人生も,すっかり一変してしまいました。ステージも III-a まで進んでいることが判明した以上,今後,どのような治療・検査・経過観察があろうとも,一生ものの付き合いになることを前提としているため,決して,今回の「人工肛門閉鎖術」が,治療のフィナーレではありません。閉鎖したところで,排便障害が改善されなければ,永久人工肛門に逆戻りになるでしょうし,そもそも,吻合部にがんの再発が認められれば,当然,永久人工肛門ということになるでしょう。
言うまでもないことですが,直腸を切除したという事実ひとつだけをもってしても,終生,もとの生活に戻れることは,原理的にもありえません。その意味で,「日常を取り戻す」とは,なんと空虚な言葉に聞こえるかもしれません。しかし,新型コロナウイルスで「新しい生活様式」という言葉が出てきたように,いかにして,日常生活への支障を最小限にとどめられるか,「日常を取り戻す」とは,そんな「新しい生活様式」を前提とした言葉になるものと考えています。
目下の懸念事項は 3つ,再発・転移・排便障害です。今回の手術では,なんといっても「排便障害」が最大の問題となりますが,障害の程度や期間については,まさに,主治医も「やってみないとわからない」状態です。もとより,腸の状態はよろしくないことからも,いつまで,日常生活もままならなくなるのかという不安しかありませんが,手術しなければ永久確定 (それにしても不便なため,造設場所を変える手術は必要でしょうが),手術すれば解放される可能性がある。記述式の数学の答案で言えば,白紙ならば 0点,何かしら書けば (書いたものが,ある程度的を得ていれば) 部分点をもらえる可能性があるくらいに考えておくのがいいのでしょう。
今回の手術自体は,一般的な患者の人工肛門閉鎖術より,ひと手間かかりはするものの,決して困難なものではなく,入院期間も,長期に及ぶことはまずないと考えています (頻便を理由とした入院の延長は,基本的に認められていません)。それでも,退院してから当面の間は,仕事復帰や Live への臨場はもちろんのこと,高々 1時間にも満たない時間のプレスリリースすら書けるのか,それすらも怪しい状態くらいに考えています (もっと言うと,病院から自宅に帰れるかどうかすら怪しいとか・・・)。この「当面の間=無期限」というものが,いつまで続くのか。再発・転移の懸念は常にありますが,ともかく,まずは,退院のプレスリリースを書ける程度に,便通の状態が落ち着いてくれること,そのことだけを願って,都合・4回目の入院に臨みたいと思います。
ちなみに,このプレスリリースを書いている時点で,最後の抗がん剤 (エルプラット点滴) 投与から 2ヶ月以上経っていますが,いまだに,手足の末梢神経に「しびれ」が残っていることを申し添えておきます。手術後に予想される排便障害に比べれば,おそらく,無視できるほど小さな障害ではありますが・・・仮に,生涯にわたって残るとなると,これはこれで,厄介な後遺症です。なにより,再発・転移の際,同じ抗がん剤も使えないでしょうしね。

― 以 上 ―




第11報 (リリース日:2023年2月6日)

2022年8月15日より実施しておりました,進行性直腸がん (Stage III-a) に関する術後補助化学療法が,このたび完了しましたので,ご報告いたします。

基本情報

  • 確定診断:進行性大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ III-a (リンパ節転移 1個あり) ※ 外科手術後の病理検査の結果,いったん確定したステージに,変更がありました。
  • 病状:直腸癌の根治のために,外科手術を実施しました。手術後の病巣の病理検査を行った結果から,リンパ節への転移が 1個 認められました。このため,術後補助化学療法として,手術後に抗がん剤治療を行うことにより,肉眼では見ることのできない,非常に小さいがんを消滅させます。それによって,手術後のがんの再発率を低下させます。

治療内容

■ 治療内容

  1. 抗がん剤治療名称:CapeOX 療法 (エルプラット点滴+カペシタビン内服併用)
  2. 予定治療コース数:8コース (エルプラット点滴については,第2クールより,通常投与量の 82.5% に減薬)
  3. 1コースの日数:21日間間隔
  4. 治療開始予定日:2022年8月15日
  5. 治療終了見込日:2023年2月7日 午前0時

■ 治療成績

  1. 他臓器への転移 および 再発:肝臓,肺,いずれも認められず ※ その他の臓器への転移検査は,主治医の判断により,実施しておりません。
  2. 腫瘍マーカー
検査年月日 2022/08/15 2022/9/26 2022/11/7 2022/12/26 2023/2/3
CEA (正常基準値:5.0 [ng/ml] 未満) 1.9 4.7 3.6 1.6 2.5
CA19-9 (正常基準値:37 [U/ml] 未満) 9 10 10 11 12

■ 今後の予定

  1. 定期経過観察 (CT,カメラ等による転移・再発評価,3~6ヶ月ごとに 1回)
  2. 吻合部検査 (2023年2月25日)
  3. 人工肛門閉鎖術 (2023年4月上旬 予定,吻合部検査の合格が前提となります)

影響の範囲 (第10報までの影響に付加するもの)

特になし

本人コメント

ひとまず,早々に Stage IV へのご招待は免れた模様で,主治医ともども,ひと安心できる結果でした。これが,抗がん剤を 8クール施工した効果なのか,単なる偶然なのかはわかりませんが,常々言っている「予後がよければすべてよし」の精神からすれば,現在も未来も,結果で帳尻が合えば,プロセスはなんでもいいのです。直腸がんの病変自体に関しては,今後,6ヶ月に 1回のペースで,CT 検査を主軸とした転移・再発評価,カメラ検査等を用いた経過観察にシフトしてまいります。これを 5年間続けるのは,相当に長いですが,主治医の指示事項は,今後も絶対に欠かすことなく,粛々と進めてまいります。
・・・と,他の消化器系であれば,これで終わりかもしれませんが,そこは,直腸がんの面倒なところ。これから先,吻合部検査と,人工肛門閉鎖術の執刀に入ります。手術はあくまで,吻合部検査に合格すれば,ですが・・・その先に待ち受けるは「排便障害」という名の地獄絵図 (たぶん)。いずれにしても,真の意味で病を克服し,日常を取り戻すまでには,まだまだ,越えるハードルは数多。引き続き,治療ファーストでがんばります。
なお,術後補助化学療法 (8クール分) の経過を,リリースとしてお伝えしなかったのは,副作用があらかた決まっていることと,そもそも,明確になっている副作用について,いちいち伝えるまでもなかったからです。このようなリリースを,いちいち書くくらいなら休みたいというのが,本音でもありましたが・・・もしかしたら,何も更新がなく,ご心配をおかけしたかもしれませんが,万一そうだとしたら,どうかご容赦ください。

― 以 上 ―




第10報 (リリース日:2022年12月5日)

2022年11月30日に発生した,癒着性イレウス (腸閉塞) に伴う緊急入院の事案について,以下の通り,ご報告いたします。なお,進行性大腸がん (下部直腸がん) との関連性もあることから,本報についても,一連のリリースとして掲載いたします。

基本情報

  • 確定診断:癒着性イレウス (腸閉塞)
  • 緊急入院期間:2022年11月30日 (水) 21:30 から 2022年12月4日 (日) 10:30 まで (5日間)
  • 病状:11月29日・夜間より,腹痛・吐き気・便通異常が認められたことから,11月30日・午後に,指定医療機関 (上尾中央総合病院) を受診。必要な診察・諸検査を経たのち,(主治医外の) 専門医師より「癒着性イレウス」と診断され,即日入院となる (緊急入院)。12月4日,症状軽快に伴い,主治医より退院許可が下り,現在に至る。

治療内容

■ 治療内容

  1. 保存的治療 (絶食・禁水・補液・レントゲンによる造影検査・採血検査・食事摂取試験を伴う経過観察)

※ 軽症のため,手術等の処置は,一切実施しませんでした。

影響の範囲 (第9報までの影響に付加するもの)

  1. 一般患者と比較して,大腸がんの手術患者における腸閉塞の再発リスクは非常に高く,同症状の再発率も,30% 程度に及ぶとの報告があるようです。再発予防策としては,1食あたりの食事量の減少,食事内容の見直し,および,日々の軽度な運動を基本とした予防的対処を,愚直に励行する以外にありません。同様の病状を繰り返す,あるいは,病状が進行するようであれば,手術適用もありえます。
  2. 第9報で報告した,今後の抗がん剤治療スケジュール および 転移・再発評価スケジュールの両方に,変更が生じます。おおむね,1週間程度のスライドを想定していますが,主治医との調整が必要です。

本人コメント

ただでさえ,抗がん剤治療の期間中であるというのに,一難去らぬ間にまた一難,とんだ災難に遭ってしまいました。加えて,月末・月初をまたぐ緊急入院になってしまったという不運まで重なり,結果的に,直腸がんの外科手術時 (第7報) と大差ない医療費を請求されることになりそうです (健保組合からの「付加給付金」を考慮した場合)。
腸閉塞は,それが,いかなる症状であったとしても,入院による治療が大原則で,なおかつ,緊急性の高い事案です (救急車沙汰になる事案も,ザラにあります)。放置は百害あって一利なし,単に,病状の悪化を進めるだけで,最悪の場合 (病名が変わって) 命取りにさえなりかねません。そんな中,症状が想定よりも軽度であり,入院も短期間で済んだことが,不幸中の幸いでした。わずか 1日で,鼻からの挿管チューブが抜去でき,2日目から食事が摂れるとは,およそ想定外でした。手術直後と,厳密には性質は違うものの,手術直後に腸閉塞を経験した者として,「腸閉塞は初動が命」ということは理解していたため,すべての予定をキャンセルしてでも,最優先に対処しなければならない初動が奏功したのでしょう。
奇しくも,初日から改善の兆しがありましたが,自転車で通院した後に,入院準備のために一時帰宅するといった「運動」もまた,結果的によかったのかもしれません。決して,冗談などで申しているわけではなく,主治医としても,結果的に「運動」がよかったのではないかという見解を示しています。
改めて,外科手術からの退院して 5ヶ月半,日々の生活を振り返るに,日々の食事に気を配り,運動を励行していたなどとは,とうてい言えない生活を送っていたことも,また事実です。すなわち,ハイリスク群の患者が,ハイリスクな生活を送っている以上,まさしく「起こるべくして起きた事案」であったとも言えるでしょう。
そもそも,「事案が発生してから猛省する」動き自体,信用に足るものではありません。事実,今までに何ひとつ,改善どころか,教訓すら見い出せていないではありませんか。これからは,事案が発生する前に,日々,一つひとつの行動を振り返り,小さな反省を積み重ねることで,大きな事案を起こさぬように努めてまいります。この「小さな行動の積み重ね」自体,面倒嫌いを極める私の性格からして,困難を極めることは百も承知ではありますが,いかなる性格であれ,「直腸がん Stage III-a」という「大病人」が事案を起こさないためには,これしかありません。無用な痛い目をみたがゆえに・・・否,これ以上,無用な痛い目をみないために,精進いたします。
なお,抗がん剤治療 (残り・2クール+11.5日+休薬期間) が終わり,転移・再発評価の結果まで出揃ったところで,改めてご報告します。具体的な時期としては,2023年2月6日 以降を予定しています。それまでの間に限りませんが,くれぐれも,これ以上 (無用な) 事案を起こさぬよう,体調の変化と,日々の食事・運動には,細心の注意を払ってまいります。

― 以 上 ―




第9報 (リリース日:2022年8月6日)

第8報のご報告に続き,2022年8月6日に主治医より受けた,がん進行のステージ変更,および,術後補助化学療法の追加について,以下の通り,ご報告いたします。

基本情報

  • 確定診断:早期大腸がん → 進行性大腸がん (下部直腸がん) ※ 進行ステージの変更に伴い,「早期」から「進行性」に変更しました。
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ I (他臓器への転移・なし) → ステージ III-a (リンパ節転移 1個あり) ※ 外科手術後の病理検査の結果,いったん確定したステージに,変更がありました。
  • 病状:直腸癌の根治のために,外科手術を実施しました。手術後の病巣の病理検査を行った結果から,リンパ節への転移が 1個 認められました。このため,術後補助化学療法として,手術後に抗がん剤治療を行うことにより,肉眼では見ることのできない,非常に小さいがんを消滅させます。それによって,手術後のがんの再発率を低下させます。

治療内容

■ 治療内容

  1. 抗がん剤治療名称:CapeOX 療法 (エルプラット点滴+カペシタビン内服併用)
  2. 予定治療コース数:8コース
  3. 1コースの日数:21日間間隔
  4. 治療開始予定日:2022年8月15日
  5. 治療終了見込日:2023年1月9日 (祝日のため,日程要調整)

※ 治療終了日は,8コースを 21日間隔で継続できた場合の見込みであり,途中の病状や副作用の経過により,変更になる場合があります。

影響の範囲 (第8報までの影響に付加するもの)

抗がん剤の各種副作用に対する,日常生活の注意とセルフケアの必要が生じます。以下,特に重要な副作用に限り掲載します。

  1. 末梢神経症状 (手・足・口・のどのまわりのしびれ,痛みなど)
  2. 手足症候群 (足裏,爪周辺の色素沈着,皮膚の発赤,腫れ,乾燥,知覚過敏など)
  3. 白血球減少,血小板減少,赤血球減少
  4. 吐き気・嘔吐・食欲不振,下痢・便秘 (一時的人工肛門のため,重要度はやや低め),口腔粘膜炎 (口内炎)

本人コメント

ここまで,諸々の困難はあったものの,どうにか,がんの病巣を切除することで,一件落着したものと思っていたら・・・次から次へと,いろいろな事案が起こるものです。
まず,がんのステージが "I" から "II" を飛び越えて,いきなり "III-a" にジャンプアップしてしまうこともあるという事実に接し,率直に仰天しました。こうなると,もはや完全に「大病」もいいところの大病です。もっとも,リンパ節への転移が 1個でも 10個でも,ジャンプアップの対象になるため,同じステージでも,程度の問題はありますが・・・
手術後,予防的に抗がん剤治療を行う選択肢があることも,当然存じ上げてはいたものの,それはあくまで,ステージ III 以降の話。これまでの主治医との診察・検査・治療の経緯からみても,さすがに,そこまではいかないだろうという思いもあり,たいして調べもせずにいたもので,帰宅後,慌てて調べ始めているところです。もっとも,今回提案された治療方法,抗がん剤,副作用,セルフケアについては,いずれも,完全に標準治療としてプログラム化されているため,主治医・看護師・薬剤師の指示・指導に粛々と従い,面倒を百も承知で付き合っていくほかありません。私が懸念しているのは,抗がん剤の副作用に対する懸念よりも,むしろ,予後に対する懸念のほうです (もちろん,副作用との付き合いも面倒だとは思っていますが)。なにしろ,ステージ I と III では,相当に変わってくるものですので。
8回ある点滴日は,さすがに (仕事も) 休むほかありませんし,その後の副作用の状況次第で,いくつかの現場をキャンセルせざるをえない事態も出てくることでしょう。率直に言って,私も,ここまでの有事になるとは想定していませんでしたし,かといって,病気に対する認識が甘かったとも言いにくいところがあると考えています。なにしろ,消化器内科・消化器外科の各主治医からも,(外科的手術で)「取れば治る」とばかり聞かされており,粛々とそれに従い,成果も挙げられていたところ,今日になって,突然,主治医に呼び出されて聞いた話なものですので。
事実,「取れば治る」はずであった病巣で,リンパ節への転移が 0 であれば,めでたく,治療完了に向かって進んでいくところ,不運にも見つかってしまった,高々 1個,されど 1個の転移。見つかってしまったものを,なかったことにはできませんし,一度乗ってしまった船にあって,今さら治療をあきらめるなど,もってのほか。「高々 1個のリンパ節転移」だからこそ,この事実を重く受け止め,より一層気を引き締めて,主治医の指示に従い,主治医との対話を深め,抜かりなく,予後を見据えた治療を進めてまいります。このような事例など,世間的にはありふれたものと言ってしまえばそれまでですが・・・私の正直な気持ちとしては,もう,この抗がん剤治療で落ち着いてほしいところではあります。
今回の事案における唯一の不満は,手術後 4~8週間以内に,術後補助化学療法を行うことが推奨されているにもかかわらず,告知が遅れ,治療開始が,8週目のギリギリになってしまうことです。病理検査に,そんなに時間がかかるとも思えませんし,手術後の合併症の治療を優先させる事情もあったのかもしれませんが,患者にとって悪い情報は,たとえ入院中であっても,どんどん,積極的にお伝えいただきたかった。しかしそれでも,たった 1個のリンパ節転移を見落とさなかったことは,手術で命拾いしたフリをして,実は,命拾いしていなかったという最悪の事態を回避するための,重要な所見でした。
軽く考えていた病気に対して,どんどん追加されていく問題。この先の展開を悪く考えることなど,目先の抗がん剤治療の副作用ひとつとってみるだけでも,いくらでもできてしまいます。しかし,ここまできてしまったら,この先のことなど,ある意味で「悪運の強さ」次第。最終的に「予後がよければすべてよし」と思って,前向きに,しかし謙虚に,立派な大病であるという自覚をもって,必要な治療を続けつつ,一日一日を,丁寧に過ごしてまいります。
なお,第8報で報告した合併症のうち,「腹腔内膿瘍」については,本日より,おおむね 2週間程度,遅くとも,8月中に治療が完了する見込みとなりました。腹腔内のポケットが,きれいになくなっており,後は,ドレーンを 2回に分けて抜去するのみ。これはこれで,想定よりも決着が早かった朗報と言えるでしょう。

― 以 上 ―




第8報 (リリース日:2022年7月27日)

第7報のご報告に続き,2022年6月21日 から 2022年7月22日 まで入院し,入院・手術・処置・経過観察を進めてまいりました。このたび,主治医許可のもと「条件付き退院」となりましたので,以下の通り,ご報告いたします。あわせて,条件付き退院後,数日間の自宅療養における経過についても,本人コメント欄にて紹介いたします。

基本情報

  • 確定診断:早期大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ I (他臓器への転移・なし) ※ ステージ確定しましたが,実質的に,限りなく「ステージ II に近い ステージ I」です。
  • 病状:直腸に腫瘍を認め,諸検査の結果,癌と診断されました。問題の癌病巣は,ある程度の進行度を有しており,内視鏡による切除を施行いたしましたが,根治のために,手術が最も妥当な治療方針と考えられます。

治療内容・合併症に関する対応・条件付き退院に関する諸条件

■ 治療内容

  1. ロボット支援下超低位前方切除術+リンパ節郭清+回腸人工肛門造設術 (本手術後,おおむね 6か月以内を目処に,人工肛門閉鎖術の施術予定あり)

■ 合併症に関する対応

  1. 腸閉塞:経過観察対象 (日常生活における,食事・運動に関する指導事項あり)
  2. 腹腔内膿瘍:治療継続中 (ドレーン [手術管] 抜去までの間,条件付き退院に関する条件あり)
  3. 縫合不全:経過観察対象

■ 条件付き退院に関する諸条件

  1. 腹腔内膿瘍の治療:毎週・1回,必ず,主治医の立会いのもと,所定の造影検査等を受診し,必要な処置・指示を受けた上で,その指示に従った療養生活を送ること (本条件が遵守できない場合,主治医の判断により,再入院の可能性もありえます)
  2. その他の指示事項:上記治療以外にも,主治医が指定した日時に (ストーマ外来を含む),必ず,所定の検査・診察等を受診し,必要な処置・指示を受けた上で,その指示に従った療養生活を送ること

影響の範囲 (第7報までの影響に付加するもの)

一時的人工肛門に関する影響につきましては,第7報までに報告した通りです。
今回,一時的人工肛門の扱いとなりましたので,人工肛門閉鎖術の施術後,一定規模・期間の排便障害が生じることを前提とした療養が必要となる見込みです。

本人コメント

まず,「条件付き」とはいうものの,退院に関するご報告が遅れに遅れてしまいましたことを,深くお詫びします。本来であれば,条件付き退院の即日にでもリリースすべきところ,5日間も遅らせてしまいました。実に 32日間という,当初の想定を大幅に超過する入院期間となってしまい,その間の残務処理や,事務的な諸手続きを優先させてしまいました。
どのくらい多くの方に,ご迷惑をおかけしてしまったかはわかりませんが,少なくとも,大なり小なり,ご心配をおかけしてしまったことについては,たいへん申し訳ありませんでした。そして,今なお,合併症の治療が続いているということで,予断も許さない状況ではあります。
今回の顛末については,率直に言って,私自身の「がん治療に対する認識の甘さ」が甚だしかったと言わざるを得ません。ことに,外科手術については,医学の進歩もあり,身体にかかる負荷も少ないとの下馬評を,すっかり信じ込んでしまった結果,術後の合併症を 3つも起こしてしまい,入院期間も 1ヶ月を超えることとなり (弊社の休職期間に至っては,暦日で 41日間に及ぶ見込みです),さらには,条件付き退院後も,猛暑と食事制限に伴う食欲不振で,早々に夏バテを起こしてしまうなど,まったくもって,なげかわしい限りの日々を過ごしているところです。まずは,身体の立て直しを進めることはもとより,この痛々しい日々を猛省し,まもなく 41歳を迎える私の人生の中で得られた最大の教訓としたい所存です。
さて,そんな「条件付き退院」の直後となりますが,去る 7月24日,どうしても臨場しなければならない Live の現場がありました。退院許可をいただけなければ,誰かに行ってもらうほかないものとあきらめていた,Little Glee Monster 現体制のラストステージです。5月の内視鏡手術のときですら,退院後 6日後に宇都宮だったというのに,外科手術から条件付きで退院してきて 2日後に,幕張メッセまで行くとは何事ということで,実家方を中心に (当然すぎるくらい) 反対の声もありましたが・・・もはや,ただのツアーファイナルではない,彼女たちにとっても,大切な節目となるステージになることを,あろうことか,入院中に病床で知ってしまった以上,自分の足で行ける権利がある限り,どうしても,あきらめることができませんでした。
退院に向けて,1周・80m の病棟を 1日・20周,点滴が抜けたら 1日・30周と,リハビリも,相応に重ねてきたつもりではあったのですが (もとはと言えば「腸閉塞のリスク低減のためのリハビリ」だったはずが,いつの間にか「腰痛の軽減と社会復帰に向けたリハビリ」になってしまいましたが)・・・「暑さの概念がない」「角度と段差の概念がない」病棟と,「暑さの概念しかない」「角度と段差だらけの」実社会では,あまりにも違いすぎました。自宅から幕張メッセといえば,平時であっても,遠くて面倒だと思う程度の距離と時間を要するところである中を,条件付き退院の 2日後に,ストーマにドレーンまで背負って臨場しようとは,われながら,無鉄砲もいいところでした。今回の目標はただ一つ,「どんな形であれ,彼女たちのラストステージを見届けてくる」ものと割り切って臨場し,結果的に,1分・1秒たりとも離脱することなく,彼女たちのステージを見届けてきて,帰宅後にも,装具交換とシャワー浴をする程度のことはできたのですが・・・当然のごとく,道中で早々に夏バテを起こしてしまい,まったくもって,彼女たちに合わせる顔もないような体調の中で見届けることとなってしまったことを,謹んでお詫び申し上げたい。汗顔の至りでありました。
今回の入院に伴い,おそらく空前絶後としたい,7本・連続となる「自己都合キャンセル」を切ってしまっており,もうこれ以上,キャンセルを切りたくないという強い思いと,特に興味や関心もない人に無理やり行ってもらうという,余計な仕事をさせてしまうこともなく,「5人のリトグリでつくるラストステージ」に対して,自ら足を運び,自らの耳目で感じてきたこと自体,最低限の誠意はみせることができた自負はあるということで,今回ばかりは,どうかご容赦願いたいところです。彼女たちの未来に幸あれ。
以上のことを端的に言えば,それこそ「Live 1本に通うことも命がけ」。これが,条件付き退院後の体調の偽らざる実態です。もとより病弱・虚弱,小病気の総合商社を自嘲し,いかなる民間保険にも入れない私であっても,首都圏近郊&日帰り限定の Live だけは,それなりに通えていただけに,今回の衝撃たるや,15年前にメンタル不全で休業したとき以来のものがありました。
現状の体調を鑑みる限り,8月6日の水樹奈々様については,いくら,チャリで通える SA とはいえ,素人なりにも,どんな現場であるかを知っている者として,さすがに見送らざるを得ないでしょう。正月に続いて,2本連続で「SA 開催の奈々様」を見送ることになろうとは,地元民としても,まことに忸怩たる思いではあるのですが・・・もとより病弱・虚弱 (以下略) の身分にして,一時,体重が 50kg を切るほどにまで消耗している現実を,改めて謙虚に受け止め,今はとにかく,睡眠と食事の確保を最重要課題と位置付け,身の安全を第一に過ごしてまいります (ちなみに,身長が 171.5cm あることからも,アンダー 50kg は「危険水域」と言っていいでしょう。特殊体質でなければの話ですが)。
8月1日から (おそらく,まずは在宅勤務からになると思いますが),職場復帰も始まります。いつ終わるのか,見通しすら立たない (腹腔内膿瘍の) 治療を含め,引き続き,ご心配をおかけすることもあるかもしれません。しかし,32日間にも及んだ入院生活と,条件付き退院後の数日間だけでも,たくさんの教訓と課題が見つかりました。睡眠・食事・暑さ対策・運動・通勤・Live 対策などなど・・・あえて,「至急」「早急」といった表現を使って追い込むべきではありませんが,一つ一つの課題に,謙虚に,真摯に向き合い,術前の日常を取り戻せるよう精進してまいります。
最後になりますが,現状,様々な課題を残しつつも,最大の目的であった「がん病巣の根絶」「永久人工肛門の回避」この 2つの困難な手術を成功に導いてくださった主治医 ならびに 助手の各先生方,32日間もの入院中,多くのサポートをくださり,もはや,顔と名前も覚えられてしまった看護師・各位,合併症の対策から,手術とまったく関係ない腰痛対策,社会復帰に向けたリハビリテーションまでプログラムしてくださった理学療法士・各位に於かれましては,入院期間中,たいへんお世話になりました。この場をお借りして,厚く御礼申し上げます。治療の道半ば,まだまだお世話になりますが,引き続き,よろしくお願いいたします。

― 以 上 ―




第7報 (リリース日:2022年6月13日)

第6報のご報告に続き,2022年6月13日に受診・検査を進めてまいりました結果につきまして,以下の通り,ご報告いたします。なお,第2回 入院前のリリースにつきましては,この「第7報」が最終報となります。

基本情報

  • 確定診断:早期大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ I (他臓器への転移・なし) ※ ステージ確定しましたが,実質的に,限りなく「ステージ II に近い ステージ I」です。
  • 病状:直腸に腫瘍を認め,諸検査の結果,癌と診断されました。問題の癌病巣は,ある程度の進行度を有しており,内視鏡による切除を施行いたしましたが,根治のために,手術が最も妥当な治療方針と考えられます。

基本的治療方針 (確定)

下記 1,2,3 各手術法のうち,1,2,3 の順番に採用します。なお,各手術法は,手術本番・手術中に,主治医を筆頭とした医療チームが,適時・適切に選定することから,最終的な手術法は,手術完了後に確定します。

  1. ロボット支援下超低位前方切除術+リンパ節郭清+回腸人工肛門造設術
  2. 内肛門括約筋切除+リンパ節郭清+回腸人工肛門造設術
  3. 腹会陰式直腸切断術+リンパ節郭清

※1 上記手術法 1,2 については,一時的人工肛門,手術法 3 については,永久人工肛門になります。
※2 考えうる合併症:12例が掲げられていますが,資料の説明書が非常に長いため,内容は割愛させていただきます。
※3 この医療行為を行わなかったときの見込み:癌の進行により腸閉塞を生じたり,また,肝臓,肺などの転移により,命を脅かすこととなります。

影響の範囲 (第6報までの影響に付加するもの)

最終的な手術法が「3. 腹会陰式直腸切断術+リンパ節郭清」となった場合,永久人工肛門が確定します。これに伴う QOL への影響については,第6報までに報告した通りです。

本人コメント

現状,リンパ節転移の確率が 10% を超えてくるということで,手術自体は即決でした。これが 0.01% くらいであれば,経過観察を考える余地もありましたが・・・da Vinci (ダ・ヴィンチ) ロボットによる手術もさることながら,手術自体も複数の案が示され,手術本番の現場で,適時・適切に判断しつつ進行するということで,相当に難航することが予想されますが,30分の診察枠のところ,手術方法やリスクについて,家族同席のもと,1時間15分も丁寧に説明していただき,追加のリスクや手術方法も示され,内容も,十分に納得いくものでした (後の予約患者を,大幅にお待たせしてしまった点は,申し訳ありませんが)。
入院期間についても,当初の想定よりも大幅に短い期間が示されはしたものの,あくまでも,術後の経過が最高に順調で,かつ,ストーマが 1回で完全にマッチして,自力で扱えることが前提となるため,とても,現実的な日程とは思えません。とはいえ,最初から,延長を前提とした日程を提示できない病院の事情もあるでしょうし,主治医からも,そのつもりでいてほしい話もいただいていることから,もちろん,入院の延長を前提に,長欠対応も含めた準備をしてまいります。奇しくも,目下示されている退院日の当日が,BUMP OF CHICKEN の振替公演 (2日目) と重なっているのですが・・・およそ,現実的に臨場できる状態とは思えませんし,まことに忸怩たる思いではあるものの,ここはもう,いさぎよくトレード (出品) させてください (需要は,十分すぎるほどあるでしょう。かくいう,私自身が行きたいですし)。結果的に,首尾よく退院できたとして「後からならば,何とでも言える」展開になったとしても,この話での後悔はなしで。むしろ,たいした席でもない (最速先行・B席・一本釣り) にもかかわらず,私のぶんまで無駄な重さを背負わせてしまい,申し訳ありません。
しつこく続くコロナ禍にあって,私自身,2023年に Live 参観戦のありかたについて考え直したい旨,昨年末に少し申し上げていましたが・・・どうやら,半年以上早く,まったく予想しない形でやってきたようです。まさか,コロナどころか「直腸がんと人工肛門」がネックになろうとは。まったく・・・人生,いろいろあるものです。
いずれにしても,これから,どのような手術を受けたところで,もとの生活に戻れることはありえませんし,いま手術を受けなければ,粛々と,死に向かって突き進むだけですので,コロナとはまったく関係ない,生涯にわたって続く,独自路線の「新しい生活様式」を受け入れるための覚悟をもって,真摯に対応してまいります。もっとも,私自身,40歳にもなれば,いつ死んでもおかしくないくらいの認識ではいるものの,「やるべきことをやらずに死ぬ」ことだけは,最高に恥ずかしく,ダサい死にかただという自負がありますので。どのような身体になったところで,私自身が「生きて=Live」いる限り,「現場=Live」はまだまだ続きますし,治療・静養・リハビリも,人生の中では大事な仕事の一つ。抜かりなく,前向きにお願いしたいという激励も頂戴している以上,ここで終わるわけにはまいりません。
引き続き,ご心配をおかけすることもあるかと思いますが,何卒,よろしくお願いいたします。
【追伸】 病院より渡された「入院計画書」(クリティカル・パス) が,内視鏡手術のそれとは比べものにならないくらい,大事になっています。手術の翌日から,数多の管をつけたまま,即リハビリ。さながら「地獄の入院計画書」のようで・・・どうやら,2台目のスマートフォンを調達し,レンタル Wi-Fi まで手配したところで,ダラダラと,NHK プラスやら TVer やらを観させていてはくれないようです。

― 以 上 ―




第6報 (リリース日:2022年5月28日)

第5報のご報告に続き,2022年5月27日に受診してまいりました「病理検査結果」につきまして,以下の通り,ご報告いたします。

基本情報

  • 確定診断:早期大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ I (他臓器への転移・なし) ※ ステージ確定しましたが,実質的に,限りなく「ステージ II に近い ステージ I」です。

治療内容

  1. 内視鏡手術 (内視鏡的粘膜下層剥離術/ESD) および 病巣病理検査 (2022年5月9日 施術済)
  2. 大腸外科手術 (追加手術)

影響の範囲 (第5報までの影響に付加するもの)

特になし

本人コメント

結局のところ,既定路線の「追加手術」ということで,きわめて予想通り,何の波乱もない結果となりました。むしろ,あれだけ大きな病巣を病理検査にかけた結果,「経過観察」で済んでしまうほうが大波乱,どうかしていると思っていたくらいでしたので。
幸いなことに,現状で取りうる最短日程の 5月30日に,大腸外科の主治医となる副科長との協議の場を設けていただきました (率直に,5月中の協議は厳しいだろうと思っていました)。既定路線である以上,早急に追加手術 (再入院) のスケジュールを詰めて,来たる「第2ラウンド」に備えてまいります。もちろん「第2ラウンド」は,相応の期間の入院となることから,防犯面の観点からも,具体的なスケジュールについては,一切「非公開」とさせていただきますが・・・いかんせん,手術の内容が内容だけに,主治医 (副科長) と設備 (ダヴィンチ・ロボット) の都合が,どこまで早急につけられるものなのか,調整は難航することも予想されます。6月の現場については,最初から,再入院を前提とした調整 (=予定流し・既存飛ばし) を進めており,高々 2本くらいの犠牲で済みそうなところではありそうですが・・・待機期間が長引いてしまえば,7月の現場ですら,その大半を飛ばさざるを得ない可能性だってあるでしょう。もっとも,退院時には「一時的人工肛門」を伴うため,たとえば「何かの現場の前日」あたりに退院できたところで,そんなに,すぐに復帰できるとも思えないのですが・・・2022年5月27日まで,今年・38本,ただの 1本たりとも穴を開けなかったこと自体,完全に奇跡的としか言いようがありませんが・・・そんな,稀代の悪運の強さをもつ私にも,いよいよもって「年貢の納め時」がやってきたようです。
さて,外科手術の結論ありきと認識しているならば,なぜ,最初から外科手術に踏み切らなかったのか。まったくもって,無駄な回り道をしてはいないか。実は,この疑問こそ「後からならば,何とでも言える」結果に他なりません。医学的にみて,100%,外科手術・一択に絞れなかった以上,最初から,3段階入院を前提とした回り道をする他になかったわけです。当然のことながら,一度切除してしまった直腸は,どうしたって,取り戻しようがありません。これが直腸でなく,大腸・結腸であれば,最初から手術一択でも,まったく問題なかったわけですが・・・身体的に不可逆的,かつ,QOL に重大な影響を及ぼす選択である限り,後戻り不可能な形で進む場合,100%,その選択でしかなし得ない確証が必要でした。まったく不幸なことに,今回「ダメモト=99.9% くらいのところ」で決めきれなかったようです。しかし,ここに至るまで,消化器内科,大腸外科の各主治医,医療チーム,そして,家族とも慎重審議の上で決定した結果ですので,私自身,今さら追加手術の流れになったところで,一切,不服も不満もありません。決定のプロセス,済んでしまった内視鏡手術の回り道も含めて,すべての結果を受け入れる所存です。
ともあれ,現状,他臓器への転移のリスクが残されている以上,まったくもって,治療が終わっているとは言えない状況です。むしろ,ここからが本番,既定路線通りの「第2ラウンド」が始まります。「取れば治る。しかし,取ること自体が茨の道」,内視鏡手術以上の茨の道は必定でありましょうが・・・大腸外科にバトンが渡った主治医とチームに,せめて「永久人工肛門」だけは回避できるよう,望みをつなぎたい所存です。
【2022/5/30 追記】 このたび,入院スケジュールの調整が不調に終わり,7月の現場のうち,少なくとも 4本を飛ばすことが決定的な情勢となりました。すぐには入院できないだろうと,予想はしていましたが・・・待機期間が 3週間以上にも及ぼうとは,完全に想定外の混雑ぶりでした。これまで,多くの現場に臨場することを守ってきた自負がある者として,一気に 4本 (以上) もの現場を飛ばしてしまうことは,きわめて遺憾でありますとしか言いようがありませんが・・・命あっての現場通い,ここらが「年貢の納め時」と観念して,療養とリハビリに専念いたします。嗚呼 BUMP (他にも 3つほどありますが・・・なぜ 2月にやらない)・・・

― 以 上 ―




第5報 (リリース日:2022年5月15日)

第4報のご報告に続き,2022年5月7日 から 2022年5月15日まで,入院・手術・経過観察を進めてまいりました結果につきまして,以下の通り,ご報告いたします。

基本情報

  • 修正診断:早期大腸がん または 進行大腸がん (下部直腸がん) ※ 早期がん または 進行がん 両方の可能性があるため,診断の表現を修正しました。
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:20mm × 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ I または ステージ II (他臓器への転移・なし) ※ ステージ I または ステージ II については,切除済病巣の病理検査後に確定します (2022年5月27日 予定)。

治療内容

  1. 内視鏡手術 (内視鏡的粘膜下層剥離術/ESD) および 病巣病理検査
    • 病理検査の結果次第で,大腸外科手術を免除される可能性あり

影響の範囲 (第4報までの影響に付加するもの)

特になし

本人コメント

中学入学直後の左肩腫瘍の除去手術以来,実に,29年ぶりの入院生活となりました。今回の入院は,さながら「第1ラウンド」といったところでしょうか。
内視鏡手術としては異例とも言える,1時間43分にも及ぶ長丁場。主治医とチームが大変な苦労をされた旨,手術中の会話からも伝わってきました。よもや「病巣切除失敗=即・大腸外科手術」が確定するところでしたが・・・どうにか,今回の入院の目的である「病巣切除 および 病理検査」自体は達成されたこと,主治医とチーム各位に,改めて感謝します。
もちろん,そのような苦労とともに切除された病巣ですので,病理検査の結果から,追加の大腸外科手術が必要になる可能性も相当ある,というより,普通はそうなるでしょうと思ってはいるため,引き続き「3ラウンド制」(ESD → 一時的人工肛門の造設を伴う大腸外科手術 → 人工肛門閉鎖) を前提とした心構えと準備を進めてまいります。もちろん,追加の手術がなければないで (経過観察で済むならば)「空振り」にはなりますが,どうみても,そのような楽観視をできる状況にありませんので。
入院のよもやま話については,あえて,この場でコメントすることでもありませんが,高々 8日間 (初日は「外泊許可」をとったため除外) の入院だけでも,病室という異世界の環境での生活には,率直に言って,手術以上の苦労がありました (主治医とチームにとっては,間違いなく「手術こそ最大の苦労」であったことでしょうが)。「第2ラウンド」の大腸外科手術では,少なくとも 3週間の異世界との戦い,その後,4~6ヶ月間の一時的人工肛門という,まさに「未知との遭遇」との戦いをも見据えて,抜かりなく,準備を進めてまいります。もっとも,基本的治療方針は決まっているため,スケジュール調整が最大の難関かと思いますが・・・やるならやるで,極力,6月中に終わらせてしまいたいものです。(そうしないと,9月後半まで「3週間の空白期間を捻出するための日程」がとれず・・・)
ともあれ,「第1ラウンド」の内視鏡手術は,無事に終わりました。私が今できることは,5月27日の病理検査の結果を待つことと,当面の間「静養中」の身分をわきまえて過ごすことだけです (今のところ,術後の経過は順調そうですが)。
なお,第4報のコメントで触れた「差額ベッド代」についてですが,当該同意書を白紙で提出したことから,おそらくかからないでしょう (請求書は後日郵送ですが,そもそも,もともとかからない部屋でしたし)。差額ベッド代に限らず,治療計画から手術・処置・検査まで,いろいろな場面で同意を求められますが,何事も「内容を読み,理解した上で同意する」基本動作は大事ですね。
【追伸】 今回の入院で悔やまれる点があるとすれば,実家方の不幸が,退院のタイミングとぴったり重なってしまい,葬儀に参列できなかったことでしょうか。(すぐそこならともかく,とんでもない僻地まで帰る必要が・・・) もとより,入院・手術を最優先に動く旨,家族間で話をつけてはおきましたし,大腸外科手術が 6月となると,四十九日も落とすことになりますが・・・こればかりは天命,どうしようもないですね。

― 以 上 ―




第4報 (リリース日:2022年4月25日)

第3報のご報告に続き,2022年4月25日に受診・検査を進めてまいりました結果につきまして,以下の通り,ご報告いたします。なお,第1回 入院前のリリースにつきましては,この「第4報」が最終報となります。

基本情報

  • 確定診断:早期大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:直径 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ I または ステージ II (他臓器への転移・なし) ※ ステージ I または ステージ II については,病巣切除・病理検査後に確定します (2022年5月30日 予定)。

基本的治療方針 (確定)

  1. 内視鏡手術 (内視鏡的粘膜下層剥離術/ESD) +大腸外科手術 (一時的な人工肛門の造設が必須)
    • 内視鏡手術の施術後の病理検査・経過観察次第で,大腸外科手術を免除される可能性あり

影響の範囲 (第3報までの影響に付加するもの)

特になし (以下,第3報 時点における影響の範囲を,一部改変した上で再掲します)

  1. 大腸外科手術の場合でも,永久人工肛門となるリスクは低く,一時的な造設にとどまる可能性が高い見解が示されています。ただし,数ヶ月単位での (目安として 4~6ヶ月 程度) 人工肛門による生活,および,人工肛門の閉鎖手術が必須となることから,造設期間中,QOL に重大な影響が生じることに変わりはありません。また,生涯にわたって,排泄機能に多少の障害が残ります。

本人コメント

最初の有所見から 1ヶ月半,ようやく,基本的治療方針が定まりました。
結果的には,第1報にて話を伺っていた「ダメモトで内視鏡で取ってみて,ダメだったら外科手術」この通りの結論となりました。しかし,この結論に至るまでに,おそらく「初期直腸がん」としては異例の精密検査と討議を重ねられたこともまた事実で,患者と医療チームにとって,もっとも厄介な初期直腸がんであるということになってしまいました。
まずは,治療の第1弾として,5月に,内視鏡手術のための入院をします。ここに至って,「入院日」と「手術日」を取り違えるミスが発覚し,5月7日の「きゃりーぱみゅぱみゅ Coachella 凱旋公演」(LINE CUBE SHIBUYA) を落とす事態になってしまったことは,まことに痛恨の極みではありますが,早期治療には代えられないことです。ひとえに「手術日程の確認」を見落としていた私の責任です。この不始末を重く受け止め,今後の反省材料に活かしてまいります。もっとも,手術日程からして,どの日付をとって入院したとしても,5月のどこかの Live は落ちてしまいますが・・・
それよりも,内視鏡で病巣を切除しようにも,なかなかの大きさに育ってしまっていることから,無事に切除が完了し,病理検査まで進められることができれば,まだいいほうで,施術途中で断念する事態も起こりえる話まで聞いています (その時点で,即「大腸外科手術」コースが確定します)。その点も含めて,今後も 2段階 (正確には 3段階) 入院を前提とした危機管理で進めていくことに,何ら変わりはありません。また,この手の話は「手術してからが本番」ということで,いよいよ,本格的な「静養中」の生活に入ることになりそうです。日々の業務こそ,在宅勤務で十分かとは思いますが,現地に臨場する Live となると,そうはいきません。カレンダー上の予定が空いていることと,実際に臨場できることは同義ではなくなるという現実に対して,重々覚悟をもってまいりたいとは思いますが,目下,高々 1本を落とすだけでも,かなりのショック,先が思いやられます。
なんにせよ,ここまで話が大事になってしまった以上,まずは手術を最優先で,そして,主治医の指示を第一に守り,当面の間は「静養中ブース」でおとなしくするよう努めてまいります。
余談ですが,入院の手続きに際して,最初から「差額ベッド代 (4床室) の部屋しか存在しない」と聞いて,非常に驚いています。いわゆる「保険診療上の大部屋」に相当する 6床室が,一切ない病院。埼玉県下の医療拠点を担う中核病院として,いったいなぜ,そんな改築をしてしまったのか・・・そして本当に,全員が差額ベッド代を支払っているのか。万一,今回 1回の入院で済んでも 5万円コース。再入院の可能性も当然ありますし,そのあたりの実態も,念入りに取材を進めてまいります。

― 以 上 ―




第3報 (リリース日:2022年4月21日)

第2報のご報告に続き,2022年4月15日に受診・検査を進めてまいりました結果につきまして,以下の通り,ご報告いたします。

基本情報

  • 確定診断:早期大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:直径 25mm 程度
  • 進行ステージ:ステージ I または ステージ II (他臓器への転移・なし) ※ ステージ I または ステージ II については,病巣切除・病理検査後に確定します。

実施済検査

  1. 造影剤 CT 検査
    • 目的:がん転移有無の確認のため
    • 実施日:2022年4月1日
    • 結果判明日:2022年4月9日
  2. 超音波内視鏡検査,拡大内視鏡検査
    • 目的:病巣の進行程度精査,手術方法検討精査のため
    • 実施日:2022年4月2日
    • 結果判明日:2022年4月9日
  3. 造影剤 MRI 検査
    • 目的:がん進行度の確認のため
    • 実施予定日:2022年4月15日
    • 結果判明日:2022年4月21日

基本的治療方針 (検討中)

下記 1,2,3 の中から,いずれか 1つを選択

  1. 内視鏡手術
  2. 大腸外科手術 (一時的な人工肛門 [ストーマ] の造設が必須)
  3. 内視鏡手術+大腸外科手術 (一時的な人工肛門の造設が必須)
    • 3 については,内視鏡手術の施術後の経過観察次第で,大腸外科手術を免除される可能性あり

影響の範囲 (第2報までの影響に付加するもの)

  1. 大腸外科手術の場合でも,永久人工肛門となるリスクは低く,一時的な造設にとどまる可能性が高い見解が示されています。ただし,数ヶ月単位での人工肛門による生活,および,人工肛門の閉鎖手術が必須となることから,造設期間中,QOL に重大な影響が生じることに変わりはありません。また,生涯にわたって,排泄機能に多少の障害が残ります。

本人コメント

結論だけを見れば,1ヶ月前に伺った話から,何ひとつ進んでいない印象ではありますが,専門医の精密検査と討議により,着実にエビデンスを積み上げた結果として,重く受け止めています。選択肢こそ,3つ示されてはいますが,内視鏡手術だけで完治する可能性は,事実上,ほぼなくなったことから,都合 3回の入院を経ての復帰ができれば御の字といった状況です。ただし,これでも (直腸がんにして) 永久人工肛門に至る可能性までは低いという見解が示されたことは,大きな前進であるものと受け止めています。
早々に治療方針が示されることを期待して,家族にも 2回,遠方より来てもらっておきながら,今なお,検査と討議が長引いているのは,それだけ,私自身の病状が難しい状況に置かれているためであり,決して,主治医や病院の怠慢ではないことを申し添えさせてください (そもそも,埼玉県下で最大級の病院であり,患者も,私だけではないのです)。数多の患者を抱える中で,主治医をはじめとしたチームには真摯に対処していただいており,また,外科手術に至る場合でも,大腸外科・副科長まで交えた討議を含め,永久人工肛門を回避するよう尽力いただいていることに感謝します。入院の際に,必ずと言っていいほど生じる「差額ベッド代」でもめないようにすることは,医師の仕事ではなく,患者と事務方の仕事です。
ただ,いずれにしても,ここまで話が大事になってしまった以上,当面の間 (無期限とまでは言いませんが,手術してみないことには,具体的な期間すら示せないことも事実です),日常生活,日常業務 および 日常現場を含め,あらゆる場面で制約が生じることは,避けられそうにありません。もとより,そうした事態を想定した備えを日々進めており,こと Live に関しては,すでに決まっている予定を,いくつもキャンセルすることも含め,まさに「静養中」の生活となるかもしれません。コロナ禍の最中に待ち受けているのが「直腸がん」とは,なんとも。奇しくも,打首獄門同好会のドラマー・河本あす香 女史が,バセドウ病からの復帰を果たしたということで,検査結果ヒアリングの前日というのに,「河本あす香 復活祭」なる企画イベントに臨場してまいりましたが・・・まさに,行き違いで「(打首の客が「直腸がん」という名の) 病気になったもの。」というオチがつこうとは,生活密着型ラウドロックバンドもびっくりでしょう。言うまでもなく,復活祭の「元気になったもの。」タオル ならびに 復活Tシャツは,「お守り」として購入させていただきましたが・・・
最終的な方針は,大腸外科・副科長からの結果ヒアリングと方針説明を経て,主治医と相談の上,4月25日には決まるものと思われますが,現時点で,確実に言えることは「取れば治る」。がんの宣告で,これを大事ととらえるかどうかは,個人差があろうかと思いますが・・・いずれにせよ,「取れば治る。ただし,不便と障害は覚悟されたし」との宣告を受けている以上,復帰は茨の道になることは必定でしょう。大腸外科手術と,一時的 しかし 相応に長期にわたる人工肛門生活からの排泄障害という,「毎日が非日常の生活」になることを前提とした上で,ことに QOL の維持管理を最優先 かつ 重点的に,十分な対策を講じてまいります。
なお,(第1弾となる) 入院に関するスケジュールも整いつつありますが,相応の期間,自宅を空けることになるため,防犯の観点から,具体的なスケジュールの公表は差し控えさせてください。各種 SNS の更新,Live 会場への臨場が止まることで,あらかた,察しはつくかもしれませんが・・・何卒ご容赦くださいますよう,よろしくお願いいたします。

― 以 上 ―




第2報 (リリース日:2022年4月3日,更新日:2022年4月9日)

第1報のご報告に続き,2022年3月24日,4月1日,4月2日,4月9日に受診・検査を進めてまいりました結果につきまして,以下の通り,ご報告いたします。
なお,第3報のリリースを 4月9日に予定しており,本報告は,その前段のご報告となります。 4月9日の再診の結果,追加 MRI 検査が 4月15日に,検査を受けての再診が 4月21日に追加されたため,4月9日時点における「第3報」のリリースはなくなりました。何卒ご容赦ください (2022/4/9 17:30 更新)。

基本情報

  • 確定診断:早期大腸がん (下部直腸がん)
  • 病巣箇所:下部直腸 5cm 程度
  • 病巣サイズ:直径 25mm 程度 (2022年4月9日 更新)
  • 進行ステージ (他臓器転移の有無を含む):現在精査中 (2022年4月9日 判明予定 2022年4月15日 追加 MRI 検査予定,2022年4月21日 判明予定)

実施予定検査

  1. 造影剤 MRI 検査
    • 目的:がん進行度の確認のため
    • 実施予定日:2022年4月15日
    • 結果判明予定日:2022年4月21日

実施済検査

  1. 造影剤 CT 検査
    • 目的:がん転移有無の確認のため
    • 実施日:2022年4月1日
    • 結果判明日:2022年4月9日
  2. 超音波内視鏡検査,拡大内視鏡検査 (注 : 先行検査のみ,切除処置は入院必須)
    • 目的:病巣の進行程度精査,手術方法検討精査のため
    • 実施日:2022年4月2日
    • 結果判明日:2022年4月9日
    • 付帯速報:内視鏡手術,大腸外科手術,両方の可能性について要精査 (いずれか一方の手術が確定した状態ではない)

影響の範囲 (第1報までの影響に付加するもの)

  1. 大腸外科手術を選択する場合,人工肛門 (ストーマ) のリスクが生じます (生涯にわたって,QOL に重大な影響が生じます)。
    • 内視鏡手術の場合:人工肛門の可能性は,ほぼなし
    • 大腸外科手術の場合:人工肛門の可能性が高いため,手術方法について要精査

本人コメント

まずは,先の病理検査の結果により,正式に「早期大腸がん疑い」から「早期大腸がん確定」となったことで,これで私も,40歳にして,早々に「がん患者」の仲間入りとなりました (人間ドック 1年目から,いきなり!)。もっとも,日本人の 2人に1人が,生涯のうち,何らかの形で,がんに罹患する時代。私の場合,たまたま,若干早い 40歳であったということに過ぎませんが。そして,4月1日に主治医も決まりました。
もちろん,がん病巣そのものは,粛々と取り除けば済む話ではありますが・・・最大の問題として,第1報の段階から,大腸外科手術に伴う「人工肛門のリスク」が高いことまで伺っており,私としても,その前提で,手術方法の調査,セカンドオピニオンと転院に関する検討,さらには,人工肛門になった場合の生活想定等々を含めて,さまざまな動きを,水面下でとっているところです (「早期がん」にしては,厳しい事実を突きつけられたものではないかと思わずにはいられませんが・・・このあたり,「表の意味での悪運の強さ」も,あいかわらず健在です)。
もちろん,まだ,正式な診断や治療方針が決まった事実もなければ,今後の入院計画が決まっている事実もない中にあって,どのタイミングで公表すべきか悩みましたが,第1報の状態では,あまりにも情報が少なすぎるため,現時点において,可能な限り誤りのない客観的な情報を,積極的に公表することに踏み切らせていただきました。生涯にわたって,QOL に直結する重大な問題であり,現時点で「悪い情報」であることに疑いの余地はありませんが,悪い情報ほど,積極的に影響と対策を精査・検討し,物理的・心理的な備えを進めておくのが「危機管理」の要諦であり,包み隠さず公表していくべきであるものと考えます。誤解を恐れずに言えば,「空振り」ならば,それでいいのです。
率直なところ,日々の業務,(コロナ延期のツケ回しも含めた) 超過密な Live 日程,自身のがんにまつわる諸検査と治療方針,それに,実家方の不幸がいつ訪れるのか (いつ呼び出しがかかるのか),その 4点だけで,心身ともにいっぱいいっぱいの状態です。たまに頂戴する reply ひとつにも反応できておらず,まことに申し訳ありません。
少なくとも,4月のスケジュールは,完全に破綻している状態です。現に,このリリース文でさえ,4月2日の ヤバT vs. 岡崎体育のツーマンと,翌・3日の きゃりーちゃんのワールドツアーの合間に書いているような始末です。現状,どのようなスケジュールをとったとしても,この先,全部の Live はこなしきれない (どこかを必ず落としてしまう) ことは確実な状態です。しかし,まだ,そのような話ができるだけでも,だいぶ幸せなほうなのかもしれません。
奇しくも,本日 4月2日,ヤバT vs. 岡崎体育のツーマンにて,8月25日に,ヤバT 日本武道館の発表がありました。ここ数ヶ月間,治療や予後で苦しい展開も考えられますが,8月25日には,どのような形であれ,彼らの最高峰のエンターテイメントを堪能できるよう,引き続き,主治医の指導を第一に,治療と回復に努めてまいります。

― 以 上 ―




第1報 (リリース日:2022年3月19日)

2022年3月8日に受診してまいりました「大腸内視鏡検査」(二次検査) の結果につきまして,以下の通り,ご報告いたします。

検査結果

  1. 大腸内視鏡検査
    • 早期大腸癌疑い
  2. 病理検査結果報告書
    • 病理検査で異型細胞を認めます。(悪性の可能性あり)
  3. 総合所見
    • 下部内視鏡検査で、所見を認めます。消化器内科を受診して早急に加療を相談してください。

検査結果の資料全文は,こちらです (個人情報保護の観点から,個人特定可能な情報を,非開示とさせていただいております)。


影響の範囲

  1. 諸検査を含む入院,手術,および,術後の経過観察と必要な処置を伴う休業期間が生じます。具体的な病態,入院・手術等の時期につきましては,第2報以降で判明した事項から,速やかにご報告いたします。
  2. 弊社 および 弊職場の業務運営に,影響が生じます。なお,入院期間中の業務は停止いたしますが,退院後は,状況により,在宅勤務を主とした業務を継続する予定です。
  3. 今後の Live 参加活動に,影響が生じます。具体的には,入院期間中 および 退院後,医師の許可あるまで,1) チケット確保済 Live の棄権,2) 新規 Live 参加 (予定投入) の見合わせ,3) Live 参加活動における制限・制約 (通常時と異なる形態での参加) といった影響が生じます。

本人コメント

内視鏡検査・当日に,現場で拝見したカメラ画像 (直腸に 3cm 程度のポリープを視認),および,担当医師のコメントからも,有所見であることは明らかでした。結果自体についても,担当医師のコメントを追認するだけのものですので,現時点では,特に申し上げることはありません。今後,「総合所見」に記載された指示に従い,早々に,医師・関係医療機関と連携し,早期治療・回復に努めてまいります。
なお,今後,諸検査を含む入院,手術,および,術後の経過観察と必要な処置を伴う休業が発生することから,今後の弊職における業務はもとより,私的に予定している Live 参加活動等についても,やむを得ず,既存の予定のキャンセル,あるいは,新規の活動を制限させていただくことは避けられない状況ではありますが,ここはさすがに,治療第一とさせてください。何卒ご理解くださりますよう,よろしくお願いいたします。
決して,自慢できるものでも,褒められたものでもありませんが・・・私ほど,「実年齢」と「外見年齢」と「体力年齢」が釣り合わない者も,珍しいものと自負しております。今のところ,私は元気です・・・と申し上げたいところではありますが,本事案に限らず,そもそも,私自身が元気であったこと自体が皆無であり,体調そのものは,年中悪い状態です (むしろ,本事案が原因で体調が悪いと感じることは,ほとんどありませんでした)。40年間「病気の総合商社」として,常に,何かしらの体調不良を抱えている中で,今回,その上に,たまたま「大腸がん (疑い)」が追加されただけのことだと思い,より一層,体調が悪いなりに,ぼちぼちと,生きた証を重ねてまいります。
最後に,今回のご報告により,ご心配をおかけしているみなさまに於かれましては,まことに申し訳なく,謹んでお詫び申し上げますとともに,あたたかいメッセージの数々を頂戴しておりますこと,厚く御礼申し上げます。個別の返信は差し控えさせていただいておりますが,メッセージは,すべて拝見させていただいております。

― 以 上 ―