phyocc a.k.a. みりん36 (@phyocc) - Information

【臨時掲載】 裁判員裁判で,さいたま地方裁判所に 出頭してきました (H25/4/22,4/23,4/24,4/26)

平成25年(2013年)4月22日,23日,24日,26日の 計・4日,裁判員裁判裁判員として出頭し,職務に従事してまいりました。しかも(人数がより少ない)「補充裁判員」という,二重にレアなケースで。
判決が下り,補充裁判員としての職を解かれたことで,ようやくの「情報解禁」です。(しかし,こういうの,【速報 JUST IN】 とかって,即刻上げたくなるような人が,よくもまあ,何ヶ月も隠し通したもんだと・・・裁判員法って こあいね)

ご注意

  1. 記事執筆時点(平成25年〔2013年〕4月26日 17:00時点)で,私はすでに,補充裁判員の身分ではありません。
  2. 記事では,必要最低限の画像を用いますが,個人を特定可能な情報は,すべて加工して(隠して)あります。
  3. 裁判員法に定められた範囲内においてのみ,すべて,事実を記します。
  4. 例によって,長くて読みにくい上に,マジメに読ませるつもりも,たいしてありません。← マジメな体験記をお読みになりたい方は,他をご利用ください(私もすでに,いくつか拝見しております)。
  5. 評議自体は,いたってマジメです。判決もマジメです。しかし,評議の内容に関する質問には,ここに書かれている内容以外のいかなる事項にも,お答えできません守秘義務に抵触します)。
  6. 裁判員制度 そのものにつきましては,最高裁判所公式サイト をご覧ください。こちらの記事は,補充裁判員として,裁判員裁判に参加した体験記,つまり,事実や所感を記したものであって,公式サイトに代わる情報を提供するものではありません。



呼び出し

3月9日,Superfly 幕張初日。← もうすでに,事案と無関係な固有名詞が出てくるあたり
3日連続で,1,000 [個/(cm^2・day)] を超える,まさしく,春の \おすぎボンバイエ/ の只中を,ヒィヒィいいつつ,しかし,先の Force Tour に行けずの無念を,この幕張で・・・という,並々ならぬ熱意をもつて,出陣の支度を整えていたそのとき,日本郵便の職員さんが。

―――なんだい,わざわざ,(配送限定の)チケでも,何か取ってたっけ?

特 別 送 達
さいたま地方裁判所

・・・あぁ??チケじゃないのん?
あの,これから Superfly なんで,邪魔しないでほしいんすけど・・・と思いつつも,ひとまず,サインして開封すると・・・


図1 : 裁判員等選任手続期日のお知らせ(呼出状)

・・・ああ!!(さっきの「あぁ??」とは,明らかに違う「心当たり」がある点に注意)
―――ああそういえば,さかのぼること,去年の11月・・・最高裁判所から,たしかに,このような通知がきてましたなあと。


図2 : 裁判員候補者名簿への記載のお知らせ

この通知と一緒に入っていたのは,裁判員裁判をマンガ風に解説した冊子と,DVD.
もちろんというか,なんというか,その日・その瞬間まで,まったく見ておりませんで。放置 ひたすら 放置。

名簿記載と呼出状

上記の書類 2点が何なのか,一応(マジメに)書きますと・・・
まず,先に届く「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」(図2)には,マンガ風の裁判員の解説冊子と DVD,それと「調査票」が入っています(実は,この調査票だけが重要)。
調査票といっても,「名簿記載の時点で,欠格事項,就職禁止事由のほか,明らかに辞退に足る事由に該当するものがあれば,その旨を返送してください。特になければ,そのまま放置でいいです。」という程度のものです。
ここで,上記の各事由に該当すれば,この時点で,呼出状送付のための「くじ引き」から除外されます。
私はもちろん,何もないので,放置 ひたすら 放置。そして,2013年3月9日の「呼出状」に至る・・・というわけです。
※ リンク : 裁判員の選ばれ方 > 調査票でおたずねすること

次に「裁判員等選任手続期日のお知らせ(呼出状)」(図1)には,まず第一に裁判員選任手続の期日前に,裁判員候補者たることを,Web 等で公開すると罰せられます」的なことが 1ページ目に書かれた(これがあるから,今日まで公開できなかったといってもいい)「はじめにお読みください」の冊子と,(マンガじゃない)裁判員ナビゲーションの冊子,それと「質問票」(そしてここでも,この質問票だけが大事)が入っています。
ここで,改めて,欠格事項,就職禁止事由のほか,辞退を希望する場合,詳しい辞退するに足る事由を記させる用紙が何枚もあって,該当する事由を事細かに書いて,とにかく「裁判所まで行けないんだけど」とアピールしなければなりません。年齢枠(70歳以上)とか,学生枠とか,あと,5年以内での(補充)裁判員経験者枠とか,一発 OK なのはいいんですけど,「仕事が云々・・・」とかいうのは,相応の説得力がいるような・・・
もっとも,私の場合,辞退するつもりもなかったので,「欠格事項なし」「就職禁止事由なし」「辞退はしません」にチェックを入れるだけ,ものの 30秒で終わりましたけどね ←
なお私は,呼出状が 3月に送られてきましたが,先の「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」(図2)にあるように,「1月1日から12月31日まで」のどこかで,事案ごとに,呼出状が送られてくる可能性があります。ただ,これも,名簿登録者の全員が,何らかの事案に必ず呼び出される(送られてくる)わけではなく,1年を通じて呼び出されない(送られてこない)こともあります平成23年の名簿使用率は 41.7%.名簿登録者のうち,半分も呼び出されていません)。また,名簿登録者の中から,1人 1事案しか呼び出されないというわけでもなく,2事案以上で呼び出されることもあります(たとえば,本件裁判員裁判の 3ヶ月後とかに,別の事案で,呼出状が送られてくるなど)。
※ リンク : 裁判員の選ばれ方 > 質問票でおたずねすること



裁判所に呼び出される確率

少し古い・・・というより,裁判員制度の開始以前のものですが,朝日新聞(2008年8月5日)の記事を;
※ リンク : 裁判員になる確率1位は大阪、秋田の4倍 本社試算
試算 こころみのけいさん・・・いや,それはいいとして,上記は「裁判員になる確率」の試算です。
では,「呼出状が送られる」=「裁判員になるか,ならないかはさておき,裁判所へ呼び出される確率」は?
これについては,1事案につき,呼び出される人数の幅が広いため,本来は,正確な統計情報を調べないといけないのですが,私の事案(選任手続きが 1日,裁判員としての職務が 3日)ですと,おおむね,50名程度となっているようです。もっとも,呼び出し人数が少ない事案でも,この程度の人数は,呼び出されることになります。
一般的に,1事案につき,裁判員は 6名,補充裁判員は 2,3名(最大 6名),計・8,9名(最大 12名)が選任されますので,上記の数表に(とりあえず) 8 [人] を乗じて 50 [人] で除する,つまり 8/50 を乗ずると,埼玉県の場合で

6,773 [1/人] × 8 [人] / 50 [人] = 1,083.68 [1/人] ... (A)

裁判員まで到達するのは,6,773人に 1人でも,呼び出されるのは,だいたい 1,084人に 1人。もっとも確率が高い大阪府だと,だいたい,463人に 1人が呼び出される計算になります。(再度,ものすごくいい加減な計算です。正確な統計情報を調べていません)
そしてこれは,呼び出し人数が(最少の部類と考えられる)50名の場合における試算で,事案によっては,呼び出しが 100人,200人という場合もあるでしょうから,実際に呼び出される確率は,さらに高くなるものと考えられます。また,上の式 (A) では,簡単のため「1人あたり,呼び出しは 1回限り」という条件を〔勝手に〕つけて計算しています。先ほども述べましたが,呼出状自体は,何度でも送られてくる可能性があります(もっとも,少なくとも 1つの事案で呼び出されれば,それ以上の呼び出しがきても,辞退できるんですけど*1・・・)。
「あたしゃ,呼ばれんでしょうよ」・・・といっても,毎年 1,000分の1 とか 500分の1 といった程度で,呼び出しの確率があるというのは,そうそう,非現実的でもないような気もするのですが・・・いかがでしょう?*2



出頭 〜そして選任へ〜

さて,Superfly 幕張出陣の前に ありがたく 頂戴するだけしておいて,幕張ではっちゃけ(以下規制対象),先の「呼出状」に忠実に従い,翌出勤日,3月11日の あさイチで,職場上長経由で「特別休暇」(つまり,年次有給休暇の日数が減らない 年次有給休暇)を申請しました。
私の会社では,就業規則で(特別休暇として)明文化されていたため,手続き上,何も困ることはありませんでした。が,「裁判員を理由に休みをとる」ということ自体,初めてのようで,いざ取るとなると・・・とりあえず,何の書類を出すのか,事務方でも,よくわからないという ←
そして,時は流れ,4月21日,ここでようやく,先の「マンガ風冊子」やら DVD やらを 読んだり観たり,ナビゲーション冊子を読ん・・・半分くらいまで読んだところで,ああ SA で Superfly が始まる,急がニャいと(以下省略)
(呼出状がきた日が Superfly の公演で,選任手続きの前日も Superfly の公演だったことは,単なる偶然です。この間,9本もの別公演を入れておりまして,裁判員のことなど,まったく考えておりませんでした。本当にありがとうございました ←)
そして,翌・4月22日,先の SA にて,グズグズに暴れ酔いつぶれ,身体中が痛い ストレスも吹っ飛び,実にさわやかな気分の中,わが愛車 Albelt を 重々しく 軽快にかっ飛ばし,いざ,さいたま地裁へ。


さいたま地方裁判所検察審査会でも,呼ばれることがあります)

そしてそして,裁判員選任手続きの部屋に通され・・・
その光景に,絶句。

おい,出頭者が(自分を含めて)26人しかいない・・・ぞ・・・( ;´;゚ё゚;;)
50人くらいに送ったんじゃない・・・のか・・・( ;´;゚ё゚;;)( ;´;゚ё゚;;)

仮に,50名に送付したとして,出頭者は 26名,出頭率は 52%.
辞退率も,2,3割(つまり,出頭率が 7,8割)くらいにはなるのかと思っていましたが,思った以上に,かなり,出頭率が低い印象があります。もちろん,理由を示して認められた辞退者もいるでしょうけど,「理由を示さない不出頭」,あるいは,「理由を示しても認められず,それでもなお不出頭*3」というのも,少なからずありそうな予感・・・事案の詳細も(選任手続きの当日まで)不明ですし,回避したいというのもわかりますけど・・・出頭しない人が増えると,出頭した人の中から(補充)裁判員に選任される確率が,どんどん高くなるじゃないかと・・・
というようなことを思って,調べてみれば,平成23年の出頭率は,なんと,全国で 33.5%.出頭しないといけない(欠格事項,禁止事由に該当せず,辞退等が認められなかった)人の中で,出頭した人の割合は,全国で 78.4%.3分の2 も出頭しない以前に,出頭義務者に限っても,2割以上が「シカト」みたいな状態になっておるとは・・・(いっそ,全員から〔10万円の〕過料を徴収すれば,結構な額になるんじゃ(ry)
ということで,出頭した 26名の中から,裁判員 6名,補充裁判員 2名,計・8名を選任する「コンピュータによるくじ引き」が執行されて,晴れて,私が選ばれたというわけです。しかも「補充裁判員」で。
このような(世界屈指の)放蕩廃人が選ばれてしまい,誠に申し訳ございません。コンピュータの乱数種なり,アルゴリズムなりを恨んでください。何を使っているのかは知りませんが ←

出頭の服装

自由,自由,フリーダムで いいんじゃないでしょうか。といっても,私は,普段の風体がひどいあまり(パーカー&デニムで通勤して,そのまま仕事して,そのまま Live まで行っちゃうのはザラ),裁判所向けの風体など(年に 10回も着れば,奇跡とされるような)スーツしかとれませんで,それにしましたけども・・・( ;´・ω・`)ノ
別に,そうじゃなくてもいいですし,むしろ,そうじゃない人のほうが多かったです。
なお,選任されても「きれいめカジュアル」とかいうものを整えるだけの金がなかった・・・ということは内密(ry

事案の詳細は,当日までわからない&事案は選べない

選任手続きの当日まで,具体的な事案の内容は,一切,明らかにされません(機密保持と,裁判員の安全の観点から,当然のことかもしれませんけど)。明らかにされるのは,呼出状に書かれている「平成 XX 年 (X) 第 XXXX 号」という事案番号と,裁判所に出頭することになる日付(日数)だけです。
もっとも,出頭する日数が多いか少ないか,各都道府県内で発生した事案(たとえば,ニュースになったか ならないか,新聞に載ったか 載らないか,といった材料)から,裁判員として担当することになる事案が,重大か,重大でないかくらいの予想はつくかもしれません。それでも,重大と思わる事案でも,事前の証拠や争点の整理(公判前整理手続)に,相当の時間がかかりますので,確度の高い予想は困難だとは思いますけど・・・
なお,どのような事案であれ,受け取れる日当の金額の差は,一切ありません(あとでも述べますが,日当は,拘束時間によってのみ決まるものであって,事案の軽重によって決まるものではありません)。はっきり言って,重大な事案で(主に精神的な)負担が大きくなるほど「損をする」ことになります。私の場合は,裁判員裁判の中では,もっとも軽い部類の事案で済んだのですが,たとえば,さいたま地裁で有名な「木嶋裁判*4」や,東京地裁での裁判員裁判が決定している「吉祥寺強殺裁判*5」,このあたりの事案になると,裁判も長引くでしょうし,議論も紛糾するでしょうし,裁判員にとって,相当な負担になるかと思います。しかし,日当は(1日あたりでは)同額。なんか納得いかない・・・
ということで,個人的には,裁判員に選任されるかどうか・・・というより,むしろ,どのような事案に選任されるか・・・こちらの「運」のほうが,重要な気もします。なお,いざ選任され,担当する事案を見て「やっぱり嫌です,辞退します」・・・なんてことは,当然できません。(その場で解任,補充裁判員が通常裁判員に昇格とかいう「ウルトラC」も,なくはないかもしれませんけど・・・)



裁判員に選任される確率

上記(私の場合の)選任手続きでは,26名中の 8名ですから,確率は 8/26=30.77%
はっきり言って,これは,かなり高い確率だと思います。私からすれば,「選ばれたも同然」くらいに思っていたほうがいい・・・かもしれません。
そしてこれは,出頭者「全員」が,「くじ引き」の対象になった場合のことで,実は,当日になって辞退が認められた人,さらに,検察側と弁護側の双方が,最大で 4人(だったかな)まで,「理由を示さずに」「くじ引き」から除外できるのです。(なぜ,この私が除外されなかったんだろう・・・と思った方,おそらく正常です
辞退,除外の人数は,どちらも明らかにされませんが,もし仮に,2名が辞退し,検察側,弁護側の双方が,4名ずつ除外したとすると,16名中の 8名。確率は実に 8/16=50% にも達し,これでは(イカサマのない)丁半博打と変わらなくなってしまいます
ですので,呼び出しを受けて出頭するからには,それなりの覚悟をもって行かれたほうが,よろしいかと思います。少なくとも「あたしゃ,余裕で外れるっしょ」という確率ではないです。かと,いって,出頭者が減る(辞退が増える,ついでに,シカトも増えるなど)と,どんどん,選任の確率が上がっていくという・・・
結局のところ,最終的に(補充)裁判員に選任される確率は,

(呼び出しを受ける確率) × (「くじ引き」で選任される人数) ÷ (「くじ引き」の対象となる人数)

となるわけですが,仮に,私の事案の場合ですと

{ 6,773 [1/人] × 8 [人] / 50 [人] } × 26 [人] / 8 [人] = 3,521.96 [1/人] ... (B) (中括弧 { ... } の部分が,先ほどの式 (A) になっている点と,最後の 26/8 が,8/26 の逆数になっている点に注意)

おおむね,3,522人に1人 の割合で,(補充を含む)裁判員として選任されたことになります(ただし,くどいようですが,きちんとした統計情報は調べていません)・・・あれ?先の(朝日の)記事では,埼玉県では「6,773人に1人」ってなっていますね。
実際,上で示した式 (B) は

6,773 [1/人] × 26 [人] / 50 [人] = 3,521.96 [1/人] ... (C)

と同じです(試算では,「全員出頭」とでも見込んだのでしょうか)。この 26人 というのが,少なくなればなるほど,選任の割合は高くなります。
実際の「出頭率」で,最終的な選任確率が,大きく変わってくる例でしょうね。
ちなみに,公式には,平成21年統計で(全国で)「約5,900人に1人程度」となっています*6。ただし,都道府県間の格差が 3,4倍程度あることと,不出頭が増えていくにつれて(出頭者の中での)確率は上がっていきます。とはいうものの,どのみち,日本国内のどこに住んだところで,毎年毎年(制度が変わらない限り)数1,000分の1 程度の確率はありますので・・・まあ,「生涯無縁」というわけでもないだろう,というのが,私の率直な感想です*7

くじの母数に関する補足と,選任確率の再計算

これも,平成23年の資料を参照すると,年間を通じて,全国で「くじ引き」の母数となった裁判員候補者数が 32,842名,選任された裁判員の数が 8,815名,同・補充裁判員の数が 2,988名。確率は,

(8,815 [人] + 2,988 [人]) / 32,842 [人] = 35.94 [%] ... (D)

先ほど,私の事案では 30.77%(出頭者・全員が対象となった場合を前提)と書きましたが,年間の統計でみると,実は,それよりも高い確率で選任されている・・・という事態になっています。
そして,上の式 (D) をもとに,改めて(補充)裁判員に選任される確率を再計算すると,

{ 6,773 [1/人] × 8 [人] / 50 [人] } ÷ { (8,815 [人] + 2,988 [人]) / 32,842 [人] } = 3,015.35 [1/人] ... (E) (1番目の中括弧 { ... } が,式 (A),2番目の中括弧 { ... } が,式 (D) になっている点と,{ ... } と { ... } の間が,除算〔÷〕になっている点に注意)

おおむね,3,015人に 1人となります。(全国総計と,埼玉県内の人数が異なりますので,これでも〔近からず遠からず〕正確ではありませんが,このへんが,埼玉県内における選任確率の〔なんとなくの〕実態といったところでしょうか。私の事案に限った確率「3,522人に 1人」と,それほど変わりませんかね)

正確な確率(割合)をお求めの方へ

仮にも理系のくせに,こんないい加減な計算とは何事だ,けしからん,信用できん,正確な数字を出せ・・・と,お叱り 確率・統計の分野に詳しい方へ。
(補充)裁判員として選任される,正確な確率(割合)を計算するには,少なくとも,以下のデータ(数字)が必要です;

  1. 都道府県内の有権者
  2. 都道府県において(以下同様),裁判員候補者名簿に登録された者の数
  3. 裁判員候補者名簿に登録され,かつ,呼出状を送付された者の数
  4. 呼出状を送付され,かつ,実際に裁判所に出頭した者の数
  5. 裁判所に出頭し,かつ,(補充)裁判員を選任する「くじ引き」の対象となった者の数(当日辞退者+検察側&弁護側による除外者を差し引いて,はじめて公平な「くじ引き」に)
  6. (補充)裁判員として選任された者の数

(「少なくとも」と言いつつ,実は,2 と 4 は任意だったりする)

上記のうち,1 は,各都道府県(選挙管理委員会)の公式サイトにでもあると思います*8
2,3,4,5,6 は,以下のあたりに統計資料が(公式ですが,資料は PDF で,分量も多いので要注意。ここまでに掲げた〔平成23年の〕いくつかの数値も,これが根拠になっています)。上記項番の 5 なんてのも,意外と?開示されていました。
※ リンク : トピックス > 裁判員制度の実施状況について【データ】〜もっとくわしくお知りになりたい方へ〜
上記のデータに基づいた計算と,先の(朝日の)記事に基づいた計算と,どの程度のずれがあるのか,興味あるところではありますが・・・ところがどっこい,上記資料には都道府県別のデータ」が開示されていないのです(全国総計のみ)。いや,どこかにあるのかもしれませんけど,もうこれ以上,調べるのが面倒で(ry



日  当

「いくらくれんの? (1日)1万でしょ!」 ――― そうもいかない (´・ω・`)
最高裁刑事局長・経理局長通達「裁判員等の日当の支給基準について」によれば,(補充)裁判員の日当は,1日の拘束時間によって,以下のように定められているそうです;

(拘束時間に対する)日当支給基準

  • 2時間以内 の場合 : 4,370円以上 4,710円以内
  • 2時間を超え 4時間以内 の場合 : 4,710円を超え 5,740円以内
  • 4時間を超え 7時間以内 の場合 : 5,740円を超え 8,660円以内
  • 7時間を超える 場合 : 8,660円を超え 10,000円以内

※ 「超え(る)」というのは,「+1分から」ないし「+1円から」を指します(たぶん)。
上記につき,公式な(公的 あるいは 報道機関等の)ソースがあればいいのですが・・・ひとまず,こちらの blog の記事より引用させていただきました(たぶん,合っていると思います)。なお,「拘束時間」ですから,休憩/休廷時間,昼休み等も含まれます(いわゆる「登庁から退庁までの時間」)。

選任手続きだけの場合,多くは「2時間以内の場合」になるのでしょう。上記に従えば,極端な話,登庁さえすれば(1分でも,何もしなくても),無条件で 4,370円はもらえることになります。それにしても,(補充)裁判員として選任された人は,選任されていない人よりも,2時間近く,長い時間を拘束されていたにもかかわらず,選任されていない人と同じ日当(4,710円)というのは,なんか納得いかない(明らかに,3時間は超えてた・・・よな・・・)
※ 2013年5月8日付(12日/5営業日後)で,日当 および 交通・宿泊費の全額が振り込まれました。振込金額から,1日目と4日目の日当で,4,710円,5,740円の違いがありました。1日目の日当が増額修正されたか,4日目の日当で調整して支給されたかは,手元に「日当明細」が届いていないのでわかりませんが,少なくとも,拘束時間に対する救済措置はあるようです。(2013/5/8 21:00)
さて,上記によれば,(補充)裁判員として選任されても,日当がまちまちで,毎日 1万円・・・という期待は,あまりもてないかと思います。(このあたりに限らず,裁判所内でも,たびたび「予算が厳しいもので」「できるだけ,お越しいただく日数と時間を短く」というくだりが・・・)
たとえば,(私の場合で)9時40分に登庁したとすれば,7時間01分,つまり,16時41分 (441) まで裁判所にいないことには,日当 10,000円が保証されない可能性があります(もっとも,それでも,8,661円 という可能性もありますが)。

ちなみに,私の場合,日当は以下の通りでした;

日当明細 (2013/5/8 21:00 金額修正)

  • 4月22日 : (A1) 4,710円,(B1) 5,740円 (選任手続当日)
  • 4月23日 : 10,000円
  • 4月24日 : 8,660円
  • 4月26日 : (A4) 5,740円,(B4) 4,710円
  • 日当合計 : 29,110円 (1日平均 : 7,277.5円)


図3 : 国庫金振込通知書 (振込総額が通知されるだけで,明細らしきものは,何も出ていません・・・)
※ 実は,これは,拘束時間に基づく試算です。最終日の退庁時,日当明細が出るものと思っていたら,何も出ませんでしたので・・・( ;´・ω・`)ノ 実際の振込額が確定したら,必要に応じて修正します。
※ 2013年5月8日付(12日/5営業日後)で,日当 および 交通・宿泊費の全額が振り込まれました。振込金額から,日当の金額修正はしたのですが,明細自体は出ていませんので,現時点ではなお,(A1)+(A4) または (B1)+(B4) のどちらになっているか,定まっていません。金額は,どちらも同じになりますけども・・・(2013/5/8 21:00)
日当に加えて,(補充)裁判員の出頭にかかる交通費,宿泊を要する場合は宿泊費が,別途支払われます。詳しくは以下を(実費ではなく,これまた,ヘンな計算をします);
※ リンク : 裁判員制度Q&A > 旅費(交通費)は,どのようなものが支払われ,どのように計算されるのですか。
※ リンク : 裁判員制度Q&A > 宿泊料は,どのような場合に,いくら支払われるのですか。
・・・私ですか?宿泊どころか,毎日,チャリでかっ飛ばし(つまり,たいした交通費も出ない程度の(以下規制)



評議 ――― メインのはずが,書けない ―――

上記選任手続きによって,6名の裁判員と,2名の(私を含む)補充裁判員,そして,2名の裁判官(右陪席,左陪席)と裁判長,11名の合議体(グループ)を構成して,裁判員裁判が始まります。しかも翌日から。即日じゃないだけ,まだいいですけども・・・
・・・と,ここでお断りを。絶対に気になるであろう

  • どんな事案だったのか?(プライバシーに抵触するもの)
  • どんな評議をしたのか?
  • 法廷の場で,被告なり 被害者なりから,何を見聞きしたのか?
  • ―――で,結果は?(有罪・無罪,量刑を決めるに至った経緯,多数決の決数「○が X人,×が Y人」など)

・・・こういったことには,ことごとく,お答えできないんです。
もっとも,公開された法廷(傍聴人がいられる場面)で見聞きした事実は別ですけども・・・まあ,それでも(守秘義務違反の可能性,という危険を冒してまで)書くほどの理由もないでしょう。こればっかりは,「裁判員を引き当てて,個々の事案をご経験ください」としか・・・( ;´・ω・`)ノ
ちなみに,評議室内の資料はおろか,自分でメモした用紙の持ち帰りも,一切できません。撮影・録音・録画は(以下略) ですので,うっかり,自前のノートやら,手帳やらに書いちゃうと大変(紙も筆記用具も,おとなしく,備え付けのものを使ったほうが)・・・持ち帰れるものは,連絡先の紙(連絡票)と,裁判員メンタルヘルスサポート窓口云々・・・の案内,そして,「仕出し弁当メニュー」くらいなものです(これでも,評議に関するメモなんかしちゃうと,持ち帰れなかったり)。
我々の合議体では,登退庁の際,厳しい所持品検査・・・というより,検査自体がありませんでしたが,事案によっては,そういうこともありえるのでしょう。「持ち出し厳禁」という意味で。
なお,判決自体の公表は,判決前に(評決の結果を,うっかりでも)言っちゃうのは論外として,判決が公開された後ならば,もちろんかまいません。って,マスメディアにも出てくるでしょうし・・・

さて,そのあたりのことは(強引に)ご了承いただいたところで。
(補充)裁判員に選任されたのち,別室に通され,宣誓書の朗読,裁判所職員による裁判所の案内を経て,評議室に通されます。被告人がいる関係で,通路や順路,立ち入り場所も,かなり厳しく制限されます。
そこで,裁判長,裁判官(右陪席,左陪席といいます)の自己紹介,事案概要,スケジュール,諸々の説明を受けます。
なお,評議室と法廷の座席は,選任の時点で,すでに決まっており,(補充)裁判員が選ぶことはできません(全席指定)。
そして入廷。ここでまた,面倒な約束が___
「休廷・閉廷宣言まで,退廷できません」(やむを得ない場合は,「付箋紙」で裁判長に知らせて,その都度,休廷の手続きをとる)とか,それ以前に「勝手な順番で,入退廷できません」とか,いろんな規則がありまして。


図4 : 法廷座席(裁判官,裁判員用) 写真右が,補充裁判員用の座席; 補充のわりには,待遇がいい

  • 入廷は,裁判長 → 右陪席 → 裁判員 1,2,3,4,5,6 → 補充裁判員 1,2 → 左陪席
  • 退廷は,右陪席 → 裁判員 1,2,3,4,5,6 → 補充裁判員 1,2 → 左陪席 → 裁判長

こんな感じだったかな,たしか。(この順番に,何の意味があるのかは不明ですが)
※ 上の写真(図3)は,判決後,撮影許可が下りたものです(ここには掲載できませんが,なぜか「集合写真」まで)。なお,裁判所内の撮影は,厳しく規制されています(念のため)。もっとも,ごくごく一般的な法廷ですので,これ以上は「裁判所 法廷」あたりをキーワードに,画像検索を・・・*9 *10

予習

必要ありません。というより,むしろ,しないほうがいいと思います。(「辞退の理由」を探すとか,そういう「予習」はするのかもしれませんけど・・・)
そもそも,事案の詳細も,選任手続き当日まで不明ですし,裁判員に選任されるかどうかも,「くじ引き」の瞬間まで,わからないわけですし。
審理・評議に必要な知識,ルール,量刑の「相場」といったものは,その場ですべて,裁判官,裁判長が説明してくれます。もちろん,質問してもかまいません。いたずらに,法律の知識なんてつけていくと,審理・評議に影響するかもしれません・・・という私は,選任手続きの前日になって,途中まで(ナビゲーションの冊子を)読んで放置,選任手続きの当日にいたっては,カバンの中で「水濡れ」を起こし・・・もう,水濡れ冊子をとっとくのもいいやと,そのまま,シュレッダーに送ったという ←

呼びかたは「番号制」

裁判員裁判では,裁判員を「1番−6番」補充裁判員を「補充の 1番,2番」といった番号で呼び合います(私は「補充の 2番」)。なお,裁判官,裁判長は実名です。私も最後まで,1人の氏名もわかりませんでした。それが無難でしょうし,そうすべきでしょう。
事案によっては,氏名(被害者等)の読み上げも規制されます。裁判員も同じですので,うっかり読み上げないよう気をつけて・・・
ちなみに,裁判官,裁判長との雑談も(休憩中は)あるのですが,そこでも当然,番号で呼ぶことになります。

刑罰の感覚

極端な感覚は,絶対にダメ・・・とは言いませんが,きっと,評議で「浮きまくる」でしょうね。
なんでも「死刑!死刑!」とか,あまりにひどいと,途中で解任されるかもしれませんし,そもそも,「くじ引き」にさえ加われないかもしれません。(逆に言えば,わざと,そういう「演技」をすれば選ばれ・・・おっと,誰か来たようd) そもそも(有罪となった場合)法定刑の上限と下限が決まっているため,その範囲内で決めなければいけません。それと,評決に際して,少なくとも 1人,裁判官の賛成が必要です。
(Web で散見される)とにかく「死刑!死刑!終身刑!(ないけど)」と,威勢よく言ってはみても,実際は,そうはい神崎なわけです。もっとも,こういう「威勢のいい人」を,裁判員に選任して,感覚のズレを知らしめるというのも,なくはな(ry

出頭日数は,最短 2日,多くは 3日〜10日,ごくまれに 30,40日とかも

我々の合議体では,審理 1日,評議 1日,判決という,全・3日,もっとも短いスケジュールで済んだのですが(何時ぐらいまで?という時刻開示は,ちょっとご容赦; ただし,17時過ぎには帰れます),事案によっては,5,6・・・くらいはまだしも,10,20,30日と,そのすべてに出頭しなければならない場合もあって,そういったところに選任された裁判員は,相当に大変だろうと思います。日数が長ければ,事案自体も厳しいでしょうしね(出頭する日数分,日当+交通宿泊費は出ますけど・・・)。
そう,さいたま地裁では,かの有名な「100日裁判員裁判」があって,実際,裁判員も 40日くらい出頭させられた・・・というのがあった気がします(100日は確実,裁判員の「40日くらい出頭」の部分は不明ですけど)。
一応,公式に調べて補足 : 3日が最短・・・と書いた後日,職務従事日数別の資料を調べてみたら,平成23年で「2日」という事案も 0.9% ありました。以下,公式より引用したデータです;

職務従事日数別の終局件数の分布 (平成23年度 裁判員制度の実施状況等に関する資料 (PDF) 図表8 より)

  • 2日 : 0.9%
  • 3日 : 20.4% (3日以内 21.3%)
  • 4日 : 33.2% (4日以内 54.5%)
  • 5日 : 18.2% (5日以内 72.7%)
  • 6日〜10日 : 24.2% (10日以内 96.9%) ※ 6,7,8,9,10日と,1日刻みでは出ていませんでした
  • 11日以上 : 3.1% (全 100%)※ そのうち 95%以上が,事実関係を争う事案です
  • 平均 : 5.0日

なお,一部の日に限っての出頭はできません。それと,すべての出頭日について,遅刻,早退,途中での抜け出し,といったこともできません(6名の裁判員が,全員揃わないと,開廷・評議できないことになっています。そういう場合は,補充裁判員と交代するのでしょう)。登庁から退庁まで,外出できないわけではありません(昼休みなど)・・・が,その場合も,公務災害の対象外となるようです(事故注意)。

補充裁判員 #とは

私は,滑り込みの 8番目,補充裁判員の 2番として呼ばれまして,じゃあ「補充裁判員」って何するん?というところですが,通常裁判員に何か起きない限り,何もしなくて(通常裁判員と同額の)日当がもらえる簡単なお仕事・・・ではなかったみたいです。
我々の合議体では,通常裁判員と,ほぼ同じ扱いを受けました(事案や合議体によるでしょうけども)。
ただし,法廷での直接質問ができず(あくまで「立会人」に過ぎず),質問は,裁判長を経由しないとできません。それと,最終評決に参加できません。外野から,言うだけ言っておいて,最終的な評決は,裁判員+裁判官+裁判長(9名)におまかせ,というポジションになります。
どうせ評決できないし,何もしなくてもいいや(立会人で OK)・・・でもいいのかもしれませんけど,あまり黙っていると,たいてい,裁判長から意見を求められる点は,裁判員と変わりません。
どっちにしても,通常裁判員よりは楽です。そして,通常裁判員より選ばれる人数が少ないので,(なんとなく)レアです。←

裁判所の周辺(さいたま地裁

御食事処など,何もございません・・・とは言いませんが,休憩時間中(たいてい 45分)に外食して戻るのは(よほど,地裁かいわいに詳しくない限り)至難の業ですので,評議室で,食事せざるをえないでしょう。残念ながら。
「今日の仕出し弁当は,****」(400円)とかいうメニューもありますが,私は「冷や弁」が苦手なので,登庁の途中で,おにぎりでも買ってきて食べてたという ←
しかし,今にしてみれば,個人的に「噂の食堂」を使ってみたかった(使っていいのか,聞いてみりゃよかった)。
※ リンク : 【ここは法廷だゼ!】裁判所のランチ事情・埼玉地裁のおせっかい食堂(ガジェット通信)



そして,ようやくの所感へ

たいへん定義ある,貴重な経験でした。
以   上

―――では,ここまで 10,000文字以上も(だだ流しのように)書いた意味もないので,もうちょっと。
我々の合議体で扱った事案は,裁判員裁判の中でも,もっとも軽い事案に当たるものでしたので,個人的な負担感も,特にありませんでした。そもそも,今回は「補充裁判員」の立場でしたし,近いし,日当出るし,合法的に,会社まで休めちゃうし。←
それはさておいて,評議も,思った以上に充実していて(補充の立場でも,かなり参加できましたし),市民の司法感覚も(私以外の高々 7人,とはいえ)わかるとともに,Web で散見されるような「極端な」意見もなく,改めて,バランス感覚が大事だと思いました。
今後,同種の事案が,何度来ても受けますし,何度でも出頭するつもりでいます。(5年間は,無条件で辞退できるのですが,辞退はしません。出頭・100日とかじゃなければ・・・)
そうは言っても,私のような(わりと積極的な)人は,おそらく奇特な部類で,2度と選ばれるものか,と思う人も多いのでしょう。今回は,補充でなかったとしても,同じ感覚でしたけども,通常裁判員で,かつ,事案と日数によっては,私も,そちら(辞退)寄りになっていたかもしれません。
あと,私のような,会社員でも 暇人 比較的,業務に余裕のある人はいいのですが,裁判員の中には,辞退事由としてまでは認められなかったまでも,けっこう多忙な人もいるようで,休憩時間になるたび,会社?と連絡をとっていたり,評議中でも,電話やメールの着信(バイブレータ)が頻繁にあったりと,本来業務との両立が,かなり大変そうな人も見受けられました。そういう人は,おそらく,裁判員の職務の影響でできなかった,本来業務の「埋め合わせ」(職務前後の出勤なり,休日出勤なり)もせざるを得ないのでしょう。という私は,本来業務の「埋め合わせ」どころか,いつも(の定時)より早く上がれんじゃん,これは,どっか Live でも行かにゃあ,もったいないじゃないか・・・といいつつ,そういうときに限って,特にお目当てもなく,そもそも(当日券を買って,飛び入りするほどの)「予算が厳しいもので・・・」というありさm(ry
なお,裁判所の対応に難点があるとしたら,評議の場に「タイムキーパー」がほしいことと(「いつ休むの?今でしょ!」とか,そういうお知らせがあれば),あと,「白紙の日当請求書」に,前もって印鑑だけ押させるのは,まずいんじゃない(結局,最終日の退庁時でさえも,いくらなのかがわかんなかったし,これじゃあ,「日当なんて,いくらでもいいすよ,文句言いませんから」・・・って認めさせるようなもん)ということかな,私の範囲では。上記 2点は,(補充)裁判員用のアンケートでも指摘しておきました。
それと,事前に,証拠や争点が整理されていて(公判前整理手続),裁判員「示されたもの『だけ』でしか判断できない」(「思い込み」や「推測」では決められない)というのも,注意したほうがいいと思います。

裁判員制度の開始から4年弱,まだまだ,「おースゲー」とか「レアモンじゃん」とか思われるんでしょうけど,生涯確率とか計算すると,まあ,まあ,ちょいちょい選ばれるでしょう(制度がある限り),くらいに思っていましたし。これでまた,5年以内に呼出状が来て・・・とかいうと,いよいよもって,レアになってきますけどね(ただし,全国で有権者が 1億人もいますし,実際に,すでに 2回経験したケースも起こっています)。
レアついでに補足 : 裁判員候補者名簿は,毎年作り替えられていて,「くじ引き」の際「経験者だから除外」,といった措置はありません。当然,呼出状も,何度でも送られてきます(ただし,5年間は,無条件で辞退できます)。



まとめ

  1. 裁判所から呼び出される確率は,500 〜 1,000 〜 2,000分の1 程度(都道府県による格差あり,3〜4倍程度)。あながち,非現実的というわけでもなさそうです。
  2. 呼び出しののち,実際の(補充)裁判員に選任される確率は,事案の出頭率次第。実質確率が 1 になる場合もあれば,10分の1 程度になる場合も。あくまで,(「くじ引き」で選任される人数)÷(「くじ引き」の対象となる人数) で決まる点に注意して,できるだけ,多くの人が出頭してくれるよう祈りましょう(選ばれたくなければ)。
  3. 日当は,それほど高くはありません。大学生でしたら,家庭教師なり,塾講師のほうが,絶対にワリがいいでしょう。(私のように,〔会社員なのに〕常時,金に困っているとかあれば,別かもしれませんけど・・・)
  4. 補充裁判員は,以下の 2点を除けば,通常裁判員と同じ扱いを受けます。日当等の待遇も同じです(もちろん,審理・評議の途中から,通常裁判員になる場合もあります)。
    1. 法廷での直接質問ができない(質問は,裁判長経由となります)
    2. 最終評決に参加できない
  5. 裁判員の負担は,事案次第。どのような事案を担当するか,何日間,裁判所に出頭することになるか,そこまで含めての「運」でしょう。なお,途中で嫌になっても,判決まで,職務放棄できません。(有事に備えて,補充裁判員はいるんですけど・・・)
  6. 「評議に関する秘密事項」は,いかなる場合も,公表できません。(この,ムダに長い「だだ流し文」でも,一切触れていませんし,公表したら,自分が「法廷に呼ばれる」側に回ることに・・・)

―――以上が,守秘義務に抵触しない範囲での記録でした。
気が向いたら,ちょいちょい追記したり,直したりもするでしょうけども・・・
ひとまず,こちらからは以上です。


図5 : さいたま地方裁判所・謹製感謝状 および 裁判員バッジ
裁判長から,(補充)裁判員 1人ずつ,手渡しで,感謝状とバッジが贈られ,さらに,裁判員裁判のシンボルマークの意味について,説明がありました(以下の通りです)。
※ リンク : 裁判員制度のシンボルマーク・キャッチフレーズ > シンボルマークの意味
もちろん,これとは別に,「職務従事証明書」も交付されます(会社勤めの場合,むしろ〔手続き的に〕証明書のほうが重要だったり)。




裁判員裁判
さいたま地方裁判所

*1:裁判員制度Q&A > 裁判員になることは辞退できないのですか。(上から 4番目の辞退事由に該当)

*2:参考までに : 番組観覧の倍率で 数100倍,超人気公演のチケットの競争倍率でも,数10倍 というのはザラです。都市伝説とされる? NHK 紅白歌合戦の観覧倍率でも,800〜1,000倍 程度です。

*3:場合により,「シカト」「バックレ」のように受け取られて,上記呼出状に記載の通り,「10万円以下の過料」を課される可能性があります。

*4:「100日裁判」とも言われる,争点も複雑な,史上最凶とされる裁判員裁判。その有名さゆえに,資料や出版物も多数あります。

*5:ルーマニア国籍の少年A(当時 17歳)と,日本人の少年B(当時 18歳)が被告人となる,強盗殺人事件。東京家庭裁判所で,成人と同じ刑事裁判が相当と判断した事案です。

*6:裁判員制度Q&A > 裁判所には裁判員候補者として何人くらい呼ばれるのですか。(最終行の 1文)

*7:さすがに,チケット関係で,ここまでの倍率になるのは知りませんけど(「1名招待枠」とかは別として)・・・ちなみに,ナンバーズ4(買う人がいるのか わかりませんが)の「ストレート」の当せん金が,およそ 100万円で,確率が 10,000分の1 ですから,それよりも(かなり)当たりやすいのでしょう。私としては,ナンバーズ4 のほうが(まったく)当たる気がしません。←

*8:たとえば,埼玉県の場合,選挙管理委員会 > 選挙人名簿・在外選挙人名簿登録者数について

*9:公式に,さいたま地方裁判所の各施設を撮影したものが → 裁判員制度の紹介 > 裁判員裁判のための施設の紹介

*10:そのほか,千葉地裁の法廷も(さいたま地裁と,ほぼ同じです) → 裁判員制度が本格始動、これが地裁の裁判員法廷だ。